殲滅 裁判官 弁護士

20 戦火マイナス戦果の種

数十年前　会社勤（サラリーマン）ジョブだった祖父は

一國一城の主（あるじ）に成りたかった　他人風情からアレコレ

顎（あご）で指図されっぱなしの　奉公ジョブ人生から開放され

自由に羽ばたきたい

金掻き集め　横濱で城（みせ）を始めた　が　結局........城にゃ

姉妹弟争い（きょうだいゲンカ）の火種　だけが残った

母は　城の手伝いを条件（ひきかえ）に　洋裁学校へ通っていたが

祖母（母の母親）が脳卒中に倒れ　介護しながら　城を手伝っているうちに

ファッションデザイナージョブへの夢は　潰（つい）えた

城主（祖父）は息子可愛さで　私の叔父に横濱城を継がせよーとし

商才無き叔父なりに試行錯誤してみたが　売れない商品を仕入れ続け

嵩（カサ）増し借金だけが増えていった　で　叔父夜逃げ

事前相談無く　祖母祖父（両親）を捨て　城も捨て逃げ　勝手に遁走した

叔父（弟）に対し　母は縁を斬り

介護せず　城手伝わずの伯母（姉）とも縁斬った

こうして姉妹弟は　皆　バラバラに空中分解していった

やがて城主は　肺癌ダメージ受け絶命

祖母姫は　天命全うし寿命死

金員が無い下等國民だったので　２人を生き返らせる事は叶わなかった

２人（両親）の祭祀（さいし）呪文スキルを継承（つ）いだ母は　喪主スキルも得て

喪主ジョブと成り　葬儀を取り仕切って　２人を弔った

直後　伯母が　祖父祖母の金銀財宝財産金員ゴールドマネーを　奪い盗りに

平塚城から攻め込んで来た

脱獄した叔父も　同盟（味方）に曳き込んでの参上見参

「数千万の遺産と　カネ産み出す　金成る城の権利

　三等分して　アタシにも寄越せ！」

伯母は　城に一切絡んでないので　何も理解（わか）っちゃいなかった

眼球（メダマ）ヒン剥き飛びデル　赤字経営城　知らず空虚な皮算用

なんせ夜逃げして跳び出す　脱國者が出るほど　首が廻らない城だ

抜け忍や　脱藩浪人を追いかけ廻し　背中斬り捨て　斬首する余裕すら無い

そもそも城は........祖父の財産（持ち物）ではない

領國主の王から借りてる城で　祖父はテナント店子（たなこ）城主

城内敷地も　城壁も　物見櫓も　天守閣も　独自（祖父の）財産ではない

所有者は誰か？　外（伯母）から視えず　マイナスしかない負債城であった

更に　城を畳むにゃ　在庫全品処分しても　残る借金と撤去費用

合算（あわ）せて６００万両もの超時空☆超絶大枚大金が必要であった

母は伯母（姉）の要望どーり　相続財産を三等分して差し上げた

マイナス権利だけど

略奪意気込み攻め込んで来た　伯母夫婦叔父連合軍に対し

母は　逆ネジ　カマした

その場で　魔法陣を描き式　強制空間に引き摺り込んで

４人（母／伯母夫婦／叔父）で　マイナス遺産相続會合を　強制開き

母２００万両　伯母夫婦２００万両　叔父２００万両

各家それぞれ負担するコトにし　念書魔法を交わし　呪いを掛けた

で　閉城クローズ準備資金を稼ぐ為　母は城を引き継ぐ事に

私は........一連の様子を　盗み聴いていた

　（あれほど　城の権利を欲しがり　大声で叫び　騒いでいた伯母ババアが

　　急に黙り　一枚も噛んで来なくなった........）

だがね　城は　万年赤字だったワケではないのだよ

祖父王の読みと　目論みが大当（ア）たり　大盛況（バブル）だった時機もある

が　バブル渦中　泡にまみれ　遊んでいると　今が絶頂　真っ盛りと

未来の予兆に気付けない　このまま永遠　一生　エターナル　滅せず滅びず

享楽延々続く　と感じられ夢現（ユメうつつ）

考えられない　気付かない　気付けない　知りたくない

バブル期　城主は息子用の派手な冠婚葬祭で　金員使い切ってしまったし

姫の治療で　遺産も残せた（あった）もんじゃない

田舎故郷に　錦を飾り　ブチアゲる為　憧れの鎌倉霊園（土地）に

墓まで買っちゃった　羽振り善い刻ゃ　この将来（さき）

無一文の己の姿なんざ　空想できゃしない　泡の後祭り

祖父祖母が　仲良く温々（ヌクヌク）と墓に入った跡は

祭祀承継者である母が　墓を管理してきた

墓は唯一のプラス遺産だった　高値で売り飛ばす事もできた

が　母の目当ては　金品（ソコ）に無い

祭祀物品（霊園権利／墓石／仏壇／位牌／遺骨など）と

祭祀承継権（葬儀や法事を仕切るマスター権利）は

亡き祖父の意向を尊重した母が　叔父へと移管（わた）し

叔父は祭祀スキルも得て　祭祀承継者へと　クラスチェンジした