第2話 彼女いない歴50年

 僕、亀之蔵 渡は若い時から容姿に自信がなかった。


まず、身長が低かった。

僕の身長は160cmということにしている。

本当は159.5cmであるが0.5cmくらい上乗せしても罰は当たるまい。


そして僕は太りやすかった。


運動が苦手で筋肉もない。

かといって少食にはなれない。


僕はいつも小太りだった。


僕は容姿に自信がないのなら、他の部分を伸ばそうと決めた。


僕はずいぶん熱心に勉学に励んだものだ。


幸い円滑な人間関係を築く能力は備わっていたため、友人もたくさんできた。

先輩にも可愛がってもらった。


僕は、これまで明るく誠実に生きてきた。


努力も人一倍してきた。


その甲斐あって、僕はビジネスで成功した。


僕は食品メーカーの社長だ。

なに不自由ない生活を送っている。


しかし僕にはコンプレックスがあった。


明日50歳の誕生日を迎える僕は、女性と一度も付き合ったことがないのである。


女性は好きだ。

しかし女性を前にすると緊張してしまってダメだ。


そんな僕の心の恋人は人気モデルの『YURIKA』ちゃんだ。



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