崩壊した世界で出会いを求める事は危険が一杯!?
和蔵(わくら)
第1話 出会いを求めて!?
此処はいったい何処なのか、それすらも解らない状況にいた。
目の前に見える風景と言えば、雨が降りそうな日の曇り空で
今にも雨が降ってくるかの様な雰囲気をかもしだしていたのだ。
何故、俺がこんな場所に居るかと言うと・・・俺にもさっぱり
解っていなかった。
俺が覚えている事といえば、自宅のPCで海外配信サイトの配信
を観ながら、お酒は呑めないのでコーヒーを飲みながら、下ネタ
を言う配信者の放送を観ていた事までは覚えている。
どんな放送かと言うと、キッズ向け配信とは違い大人向け配信で
あるが、決して肌の露出とかはしてない配信だ。
だって配信主は、俺より年上の男性配信者だったのだから、そんな
肌を晒されても嬉しくもない。
そんな配信を腹を抱えながら笑って観ていた俺が、何故か薄気味悪い
場所に居たのだ。
俺は辺りを見渡した後に、直ぐに自分の格好を確かめ、自分が部屋着
である事に気が付いた。
すぐさまズボンのポッケの中を弄ると、出てきたのはタバコとライター
とスマホだけで、それとスリッパを履いていたと言う事は、俺は台所に
行ってタバコを吸おうとしていたと言う事だ。
俺がタバコを吸う場所を決めていたから、直ぐに持ち物から察しが付いた。
スマホは充電をしていたので、充電量は問題ないのだが、タバコの量は
心なしか寂しかった。それと少しお腹も空いたようだ。
俺は目の前に見える家らしい建物に近づき、中を見ようと中を覗き込むと
床に人影らしき影を発見し、窓の隣にあるドアから家の中に入り人影らし
い影に近づいていた。
家の中は薄暗く、目を凝らさないと部屋の中が良くわからない状況だが
目が慣れると、薄っすら暗い部屋の中でも目が見える様になっていたが
それでも床に落ちている物に何度も躓いていた。
そして、ようやく人影の近くまで行くと、床に倒れている人影に話しかけた
のだが反応は無い。
そこで、俺はうつ伏せで横たわっている人を揺さぶってみる事にした。
「おい、あんた生きてるのか?」
俺は何度も何度も、うつ伏せに倒れている人に話しかけていると、うつ伏せに
なっている人から、声が薄っすらと聞こえてきた。
「うぅ・・・うぅ・・・」
苦しんでいるのか、うつ伏せに倒れている人は呻き声しか発してなかった。
そこで、俺はすぐさまうつ伏せから抱き起こそうとして、横向きにした時に
相手の顔が、部屋に差し込んでいた外の薄暗い光が、その横たわっていた人に
差し込んだ時、俺は肝が冷えていた。
何故ならば、倒れていた人の顔に光があたると、どうみても死んだ人の顔
だったからである。
顔からは血の気が引いていて、少し干からびている感じだったからだ。
これで生きていると言えるだろうか?
何度も考えても死んでいるとしか思えないのだが、横向けにした人からは
やはり、微かに呻き声を発してた。
そこで俺は、もう一度だけ体を揺さぶりながら声を掛ける事にしたのだが、
どうにも嫌な予感がする。
映画とかだと、こんな場面に遭遇した人は真っ先に死ぬ・・・そんなシーン
を思い出したからだ。
倒れた人をどうしようか座り込みながら考えていた俺だが、そんな俺の
事を気にも留めずに、倒れ伏せていた人が急に立ち上がり、俺の方に顔を
向けると行き成り、目を見開き、何かを探しているかの様に辺りを見渡し
だしたのだ。
そこで俺は、起き上がった人に向かって話しかけると、起き上がった人物は
口を開けてこちらに向かって詰め寄って来た。
「うぉ・・・うぉ・・・」
何だこいつ・・・まるでホラー映画に出てくるゾンビそっくりだ。
俺を目掛けて襲ってきやがる。
行き成りだったので、俺は押し倒される形になってしまった。
これでは、俺は何も出来ずにゾンビの餌になるしかなく、どうしたら
生き残れるかを必死に頭の中で高速で考えていた。
俺は仰向けにされ、両肩を抑えられる形だったが、俺も相手の肩を必死に
なって抑えて、噛み付かれないようにしていた。
もしも、このゾンビに噛み付かれたら、そこで俺は死んでしまう事になる
からだ。
映画などのゾンビならば力が強くて、組み合ったが最後、力任せに押し切られ
噛み付かれて終わりだっただろうが、このゾンビは力は生前と同じなのか、
生きてる人間と力は変わらない様だ。
そこで俺は、柔道の巴投げをしてみようと思い付き、相手の腹に足を掛けたの
だが、柔道の経験など無かった俺は、何度も噛み付かれそうになりながら必死に
ゾンビを投げ飛ばそうと腹を蹴飛ばしていると、何度目だったかは覚えていないが
ゾンビが綺麗な円を描きながら飛んでいくのが視界に入ってきていた。
投げ飛ばされるゾンビが、スローモーションになったかの様に、自分の視界の中で
ゆっくりと投げ飛ばされるのを見ていた。
ゾンビが投げ飛ばされた先には、テーブルがひっくり返しになっており、テーブルの
脚が中間の辺りから折れていた。
凄い音と共にゾンビはテーブルの脚の折れた部分に胸が刺さり、起き上がれなくなったのだった。
テーブルの付近には折れたテーブルの脚の先があり、その折れた部分は鋭利に尖り
ゾンビに止めを刺すのには丁度よい武器になった。
こうして、俺はこの世界に来て早々にゾンビと言うアンデットを倒してしまった。
因みにゾンビの弱点は、どの物語でも頭である。この世界のゾンビも例外ではなかったのだ。ゾンビを倒したいならば頭を潰すしかない!
そんな事をしている間に辺りは、もう夜になっていた。
そして、家の外からはゾンビの呻き声が一体だけではなく、複数の呻き声が聞こえだしていたのだ。
ゾンビを一体倒すだけでも、これだけ大変だったのに、まともな武器も無い状況では
数対を一遍に相手などしていられない。
俺は、すぐさま家の屋根裏部屋を探し出すと、梯子をかけて上った後に梯子を屋根裏に引き上げた。
もしも、ゾンビが梯子を上れるならば俺は直ぐに、あの世行きである。
だがゾンビにそこまでの知性があるとは思えない、念の為だ!
俺はサバイバルゲームをする時は、念には念をおして安全確認をする男なのだ。
車の運転も、だろう運転などしないし、させなかった男だ。
屋根裏は暗かったので、ズボンのポケットからスマホを取り出すと俺は、ライト機能
を選び部屋の中を照らし始めた。
すると屋根裏部屋の奥の方でガサッと言う音が聞こえ、その音のする方をライトで
照らすと、物陰から少しだけ出ている靴のつま先が見えた。
俺は、テーブルの脚を切れ端を構えながら、奥の方へと歩みを進めていた。
~~~~~
「:@・%$=~‘*+?」
聴きなれない言葉を発しながら、その者は奥の物陰から剣を突き出して
座った状態から剣を突き出して襲い掛かっていた。
俺は咄嗟に剣の突きを避けると、後ろによろめきながら後退するほか無かった。
もしかして、何かで攻撃をされると思って身構えていたのが、功を奏した結果
だったが、相手の武器がなにかと解ると、俺は絶望しかなかったのだ。
テーブルの尖った脚と剣では勝負にもならない!
どうしたものかと考えを巡らせていると、襲撃者がライトの光で照らされて
姿が露になっていた。
その襲撃者はと言うと、ヨーロッパ風の民族衣装に身を包んだ十代後半の女性
で、どうも顔色が悪いように見える。
怪我でもしているのか、額からは凄い量の汗が噴出していたのだ。
直ぐに俺は、彼女に大丈夫なのかと問いただすのだが、どうも言葉が通じていない
様にしか思えない状況である。
「*{}_&%$#”?」
やはり彼女が発する言葉は、日本語ではなく英語やフランス語でもないようである。
俺は困ったので、身振り手振りで、ゾンビとの戦いを彼女に伝えると、彼女もまた
身振り手振りで、俺に何かを伝えてきていた。
「‘*{~=|%&!」
彼女は、そう言うと自分の頭に剣を向け、自分の頭に刺せと言ってる様にも見て
とれたのだが、定かではなかった。
俺が疑問に思っていると、彼女は腕の裾を捲くりあげると、そこにはゾンビに噛
れた跡が残っており。
この人もまたゾンビになる運命なのだと悟ると、俺は彼女から剣を受け取ると
彼女にコクリと頷いてみせていた。
それを見た女性は、緊張した顔から少しだけだが、和らいだ感じがしてきた。
この女性はゾンビになどなりたくは無いのだ。
それから1時間くらいが経過してから
俺は女性が、眠るように息を引き取るのを見取った後に、女性の頼みを叶える為に
彼女の
彼女の亡骸に毛布を掛けた後に、屋根裏にあった紐で確りと縛り終えると
俺は疲れのせいか、直ぐに床に横になってしまった。
横になってから、人の死に付いて考えている。
本当に彼女にした事が良かったのか?
それとも彼女は違う事を俺に頼んだのではないか?
言葉が通じないと意思疎通も困難であり、もしも間違った解釈をしていたら
と思うと、急に怖くなってしまったのだ。
そんな事を考えてる内に、睡魔が俺を眠りにつかせていた。
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