前のエピソード――7月27日　真夜中MIDNIGHT∞スタート

　パクリとはアイデアを盗んだり、模写して自分の作品として発表したりの盗作って事……で合ってるかな？　大きく間違ってはいないと思います。

　でさ、パクるとはどこまで許されるのかなぁって考えてみました。厳密に言えばカクヨムでよく見かける異世界転生物や異世界物、ファンタジーの世界なんてパクリになってしまうんじゃないかって気がします。パクリと言うか、ある一定の形にはめて話を作るテンプレートって奴なのか解らんけど、中世ヨーロッパっぽい世界で竜や怪物や魔物が出てきて、魔法や剣で倒すなんてファンタジー小説は山ほどある訳ですよ。

　ゲームで言えばドラゴンクエストみたいな世界観のファンタジー作品って多いよね。

　さらにそこへ主人公が交通事故や自殺なんかで生まれ変わったり転移して出来た異世界転移物、その主人公が現代日本の知識や技術を使って活躍するチート物なんて山ほどあります。

　え？　「パクリばっかりじゃねぇか？」ですか？　そうとも言えるし言えないとも言える気がしますねぇ。根っことなる部分は共通している話が多いんだけど、根っこから広がる枝葉がそれぞれ違うんですよ。しょぼい枝葉が有れば立派な実を付ける枝も有り。美しい花を咲かせる枝も有る。それぞれ違いが有って良さがあるんですね。

　京が好きな『スレイヤーズ』だって、ドラクエみたいな世界だけど、主人公はとんでもない大喰らいで暴れん坊。当時のヒロインとしては斬新で型破りでした。今、貧乳で大喰らいで背の低いヒロインを書くと『リナみてーだな』って思われるけど、最初に形にするってのはそういうことなんだよ。

　ロボット物と言うと叱られるけど、モビルスーツ関係で言えばかなりSF寄りな『フルメタルパニック』が有れば、道路交通法や車両運送法に沿って作った『機動警察パトレイバー』なんて夢もへったくれも無い作品が有ったりする……いや、あれはあれで『大型特殊免許を持ってたら動かせるかも』って夢が在ったけど。

　大きな分類だと『木』なんだけど、その木で花見をしたり、梨狩りをしたり、栗ひろいをしたり、もしかすると家の材料になる木も有るかもしれませんが、とにかく作品となって人を楽しませている訳ですよ。

　で、胸糞悪い京アニ放火殺人事件の話になるんだけど、犯人は『小説をパクられた』と言っているそうだが、小説を応募したり、サイトに出したりしている訳ではなさそう。つまり、脳内だけで出来ている訳だ。

　たまにさ、料理を作ったりすると「そんなの～するだけでしょ？」みたいに言う人が居るでしょ？　そういう奴に限って「～するだけ」をしない。放火殺人犯は京アニの作品を見て「俺が考えていたのと一緒だ！」みたいに思ったんじゃないかな？　アイデアは誰でも似たものを出せると思う。でも『形に出来るかとは違う』って言いたいね。

　どんなアイデアだって世に発表せず、形に出来ずなんてのは無いのと一緒。上手下手は別にして、最初に形として世に送り出した者が勝ちだと思っています。そうでない者が「俺も同じ事を考えていた」だの「そんなんは誰でも思いつく」だの言っても負けです。そして『パクられた！』なんて言って良いのは最初にそれを世に形として送り出した者のみだと思うんですが、皆さんはどう思いますか？