第14話~制圧作戦 前編~

対応を疎かにしていたA国でGBが溢れ出し、そのA国と連絡が途絶えて1日がたった日、とある対GB対策会議に門松要、大和美佐、南雲睦美の3人は出席していた。


部屋にはモニター越しではあるが政府幹部、日本の主要の学校の幹部が映し出されていた。


「現在、対GB連からの要請のあったA国制圧の件ですが各学校からの意見をお聞きしたい」


政府幹部がそう質問すると菱条、開徳は西門防衛で余剰な人員は無い、鯨森は単純に人員不足、九南は東シナ海対応の為不参加と続けて答えると政府幹部が別回線で何やら会話をし始めそれが終わると。


「日本からの5名は聖門から大和美佐、指定する聖服2名を出してもらう、足りない人員は追って連絡を入れる」


会議が終わると美佐が南雲に向かって


「南雲、指定された2名って折原と内川か?」


「何でそう思う?」


南雲がそう答えると美佐は呆れた様に


「東門防衛で天羽、片霧、操は出せないし、作戦が成功すれば良し、失敗すれば予定通り折原は処分できるし、内川はお試しってところだろ?それより何で私が行かないといけないんだ?」


南雲は少し考えてからため息をついて切り出した


「足りない人員は神龍宮と真城から誰かが来る、美佐にはその監視・・それと折原の件は・・」


南雲がそこまで言うと美佐が


「なるほど監視ね・・それと政府が何を考えているか分からないけど折原の処分は絶対にさせないよ、うちの大事な戦力だからな」


南雲はそれを聞くと「そうだな」とだけ言いった。



美佐、折原、内川の3人は作戦本部のある基地に来ていた。


そこには一緒に行動する神龍宮1年の住吉白亜すみよしはくあと真城1年の真城夕貴ましろゆうきがいた。


住吉白亜は死服だったが制服では無く普通の私服で日本刀を背負っていて、真城夕貴は聖服だったがどう見ても猫の着ぐるみを着ていた。



作戦に参加する自衛隊も含め全員が集まったところで作戦の説明を受けた。


「・・・と言う事で自衛隊機は5人を目的地まで送るだけになり、制圧完了後は・・・」


長々と説明を受け終わり解散になったが美佐は4人をその場に残した


「さてと何から話すか・・まずは自己紹介からだな」


美佐がそう言うと適当に順番を決めて、折原、住吉、真城、内川の順番になり折原が終わると


「住吉白亜です、呼び方は自由にしてもらって結構です、この黒水晶の剣を使用した近接に特化した死服です」


住吉はそう言って剣を抜いて見せた。


続けて真城夕貴


「真城女子1年、真城夕貴、何だかわからないけど爺ちゃんが行けって言ったから来たにゃ、夕貴はスピードだけは誰にも負けないにゃ、ちなみにこの格好が聖服にゃ」


そしてコスプレ魂に火が付いた内川の番になり、内川はまず聖服を変形してから話始めた。


「聖門女子1年、内川彩華です、見ての通りバトルメイドです!・・」


遥は完全に格好で真城に張り合っているのだろうと思った。


自己紹介が終わったところで美佐が話し始めた。


「今回GB化した人間が相手になるが容赦しないでって面倒だな・・皆死ぬなよ・・傷は治せるが蘇生は出来ないからな、以上だが質問は受け付けない!では解散」



自衛隊機内


5人はパラシュート装備で搭乗していた。


「先生、質問が・・」と遥


「どうした折原?」


「パラシュートなんて使ったことがありません」


住吉以外が同時に頷くと


「飛び降りたら勝手に開いて目的地点までGPSで誘導してくれるから安心しろ」


「もし開かなかったら?」


「諦めろ・・嘘だ、それと死法はいいが聖法はGBに気づかれるからなるべく使用しない事」



目的地上空に来ると美佐は全員を通路に1列に並ばせた。


「これより作戦を開始するが、決して無茶をしない事、個人行動はしない事、怪我したらちゃんと報告する事、質問は?」


住吉がゆっくり手を挙げながら


「大和さん、後部ハッチが開いていませんが何処から降りれば?それと私以外は初めてで降り方とかの説明は?」


パラシュート経験がある住吉が質問をした。


「いい質問だ」美佐は薄笑いを浮かべながらそう言うと嬉しそうに「落下注意」と書かれた赤いボタンを押した、すると4人の床がバカっと開き4人は自由落下して行った。


住吉以外の悲鳴を聞きながら美佐は悲しい声で


「皆すまん、教えている時間は無いし・・心の準備とか面倒だから・・さてと私も行くか」


そう言ったところで機体が上下に揺れパイロットから連絡が入る。


「大和さん、乱気流です、抜けるまで待機して下さい」


「これは・・チャンス!どうせなら4人でやらしてみるか?」美佐は笑みを浮かべながらそう思うと無線で


「誰でもいい、聞こえているか?」


悲鳴の中から住吉の冷静な返事があった


「こちら住吉、感度良好です」


「機体トラブルで私は別ルートで行く、4人は予定通りに進行してくれ、以上」


「住吉、了解しました」



無事に4人が目的地点に降りると住吉から大和が来れなくなった事を3人は聞かされ、4人で話し先頭を住吉2列目に遥と内川と並び、最後尾に真城で進む事になった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る