詩的恋愛論 実践編 愛の烈女伝 1『女王フアナ』

『狂女フアナ』とは15世紀末~16世紀半ばのスペイン女王フアナ。

彼女は、Juana la Loca(フアナ・ラ・ロカ) 狂女フアナと呼ばれた。


14世紀のスペインは、カスティーリャ王国とアラゴン王国に別れていました。


1479年、カスティーリャ女王イサベル1世とアラゴン王フェルナンド2世が結婚して、カスティーリャ・アラゴン連合王国=スペイン王国が成立します。

2人の王の次女フアナが誕生したのは、スペイン王国誕生と同じ年でした。


フアナ王女は褐色の肌、黒髪、黒い瞳をしたラテン系の美女です。

当時のヨーロッパの王侯貴族たちの恋愛と言えば、もちろん政略結婚でした。

フアナの結婚相手は、オーストリア帝国を統べるハプスブルグ家の貴公子フィリップ。

彼は『フィリップ美公』と呼ばれる、金髪碧眼の超イケメンだったのだ。

フアナはひと目見て、もう彼にメロメロでした。

フアナ16歳で結婚、ふたりの間に2男4女をもうけます。


しかし、この『フィリップ美公』とんでもなく女癖が悪いわ! しかも頭も悪い!

ヨーロッパきってのプレイボーイ・フィリップ、妻のフアナでは飽き足らず浮気を繰り返す。

母イザベルの遺言で王位を継承した女王フアナに、フィリップは政治のことも分からないくせに、あれこれ口出しをします。

女王フアナは惚れた弱みでバカ旦那には何も言えない……。 

こんな男でも女王フアナは一途に愛し続けたんだ。――あまりに愛し過ぎて、ついに気が狂った?


スペイン貴族たちに恨まれたフィリップはある日死んじゃいます。一説によると暗殺とか?


女王フアナはショックで完全に正気を失ってしまい、死んだ夫『フィリップ美公』の遺体を馬車に乗せて半年以上国内を彷徨い歩いたという。

そうすると復活すると占い師にそそのかされたらしい。

死んだ夫を生き返らせたい一心だったのでしょう。


一国の女王が、死んだ夫の遺体を引きずり回して国内を徘徊しているなんて

異常な行動、貴族たちが放って置くはずなく、ついに父・フェルナンド2世によって捕まり、狂女フアナとして、40年以上も幽閉される。


女王フアナは頑として譲位を受け入れず、死ぬまで「Yo la Reina」(ヨ・ラ・レイナ=私は女王)と言い続けました。



なんだか悲しい女のさがですね(ノд・。) グスン

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