★女神様シリーズ★その2

 私は異世界転生課の女神だ。

 今日も今日とて、トラックで転生者を異世界へ送り出すのが仕事だ。

 女神とは言え勿論だが不死身ではない。

 現世にて人の肉体で活動している時だけは、神ではなく人間なのだ。


 大型免許を努力で取得して、アルバイトで貯めたトラックを毎度購入している。


 会社に所属すると迷惑が掛かるので、個人的な犯行だ。

 他には損害を与えないのがプロなのだ。


「仕事前のコーヒーは香りも際立って旨いわね」


 今日のターゲットは、あの冴えない一般男性か。

 横断歩道を渡る動きも遅いしちょろいわね。


 私はアクセルを全開にした。

 おそらく100kmは出てたであろう。


 しかし、気がついてしまった。

 男と重なっていて、小さな存在を黙視できていなかったのだ


(あれは……子供!?)


 咄嗟に急ハンドルを切った私は転生者候補を轢きそびれ単独でガードレールに衝突した。


 こうして、女神である私は身体を強打して事故死した――

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