第3話【フラグを立てたがる男】


 世界中をどん底に落としたパンデミックにより、無数のゾンビに囲まれたマイクとジョン。


 銃火器は尽き、心身疲労で限界も近付いていく。


 何やら覚悟を決めた2人は、最後の会話をしているようだが――――


〝レミーおばさんの古びた家屋にて〟



 マイク『よぉジョン……お前には大事な家族がいるだろ?こんな世の中だ、会ってやれよ』


 ジョン『マイク……そんなお別れみたいに言うな……俺に家族何てものはいないんだよ!』


 マイク『ははははっ!!そう、意地を張るなよ。生まれてから一匹狼の俺に……お前みたいな弟が出来て幸せだったよ。もうすぐ例の彼女との結婚式があるんだろ?』


 ジョン『 意地じゃねぇよ!こんなゾンビだらけの世界で結婚式なんて開けるわけないだろ!。いいかマイク!?もう喋るな!!大声で奴等が襲ってくるぞ!』


 マイク『い~や、お前は幸せになるべき人間だ。俺が手榴弾コレ〟で突破する』


 ジョン『そんな事したら、おまっ――――』


 マイク『何も言うな〝心友とも〟よ。俺はもう、奴等に噛まれている。仲間入りするのも時間の問題さ』


 マイク『さぁて、ドでかい花火でも打ち上げてやるぜ!!』




 ゾンビへと決死の思いで果敢に特攻するマイク。

 だが――――勢いに飲まれてジョンは言えなかった。



 ガス栓が漏れている事。

 裏口から逃げられた事。

 噛み跡じゃなくて虫刺されだって事。

 ジョンには結婚式の予定がない事。

 出産予定や妊娠もしてない事。

 そもそも妻がいない事。

 今まで聞かせてたのは、画面の女の子との妄想だった事。


 ついに、真実を伝えることも出来なかったジョン。


 激しい爆風の中で彼が最後に見たのは……



 ――――To Be Continued――――









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