第161話0161★ファンタジー世界の動物の名前は?



 延々と小川の側を歩き続けたら、再び選択する場所へと辿り着いた。


 どう見ても、獣道に、あきらかに人が通っていたとおぼしき道が、小川の側に出現し、神護は悩む。


 えぇ~とぉ~……こっちは………

 うん、こっちは大型動物が使っていそうな獣道だよなぁ


 でも、小川の対岸のあっちには………

 どう見ても、人が使っていそうな幅広い道がある


 それとも、このまま小川をくだり続けるか?


 足を止めて悩む神護の耳に、獣の鳴き声が響く。


 ギギャャー……ギャウゥゥゥ……ガァァァ………

 ガサガサ……バキバキッ…ザザァー…………


 獣達が争う音と鳴き声に、神護は舌打ちする。


 その音がどんどん近付いて来るので、あきらかに、複数の夜行性動物がもつれ争いながら、神護達が居る小川の方へと移動して来ていた。


 その音と鳴き声、ぐっすりと眠っていた白夜も眼を覚まして、黙って周囲を睨む神護を見上げた。


 が、白夜も元は成人した皇太子で有っただけに、お子様になっていようと、冷静沈着さは持ち合わせていたので、泣き喚くことなく、辺りを静かに窺がうのだった。


 神護は、ちょっと考えてから、小さく口中で呟く。


 「《結界》」


 小さな守護の《結界》を張った神護は、更に近付いて来た音に、好奇心を刺激され、あえてその場に留まった。

 もちろん、腕の中の白夜も好奇心満載で、獣達が争う物音の方へと視線を向けていた。


 ほどなくして、豹によく似た獣とコヨーテもどきの集団が現れた。

 ただし、どちらも、神護が生まれ育った世界の獣より大きかった。


 豹によく似た獣は、神護の知る普通の豹やユキヒョウや黒豹などの豹達に比べて見るからに大きかった。

 が、その豹に似た獣は、ガタイはかなり大きいが、あきらかに子供と判る容姿をしていた。


 一方のコヨーテもどきも、また、神護の知っているコヨーテよりもはるかに大きかった。

 こちらは、親離れしたばかりの、若いオスの集団らしいことが見て取れた。


 動物好きの神護にすれば、どちらも可愛いと言える獣達だった。


 ふむ……どうやら、こいつらは争っているようだが……

 豹に似た獣の方は、子供で戦い慣れていないな

 移動中に、親からはぐれたのかな?


 見た目がコヨーテもどきの集団は……確かに、可愛いと思うけど

 率直な感想として………あんまり欲しいとは思わないな

 さて、どうしようか?しっかりとした《結界》を張っているから

 俺達には気付いてないが…………


 【竜ケ峰りゅうがみね】の樹海もどきのことわりとして

 このまま弱肉強食の世界というコトで、見て見ぬフリしてもイイが

 なんか、豹もどきが死ぬのは、勿体無いな








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