第149話0149★ハチミツを採取しよう



 〔あぁ あの巨大樹のうろに ミツバチ達の

  巣があるようだな くふふふふ


  父上が バニラシードの採取し終わったら……

  ハチミツを採取してもらおう


  見るからに かなり大きい巣のようですねぇ~

  どれくらいの量を採取できるかなぁ~…………

  とても楽しみですねぇ…………〕


 白夜がミツバチの巣を発見し、喜んでいる頃。

 神護は、バニラシードをあらかた採取し終えていた。


 そして、火熊を倒した時に気付いた、薬味となる生姜をせっせと採取していた。


 うん…間違いなく、生姜だ……くすくす…

 うわぁ~……意外と大きい塊があるなぁ~……

 生姜は、肉料理にもお菓子にも使えるからなぁ


 一株を掘り出して、ソレが間違いなく生姜であることを確認した神護は、テキパキと周辺の生姜を掘り出していく。


 有る程度の量になったのを確認し、神護は丁寧に土を落として、巾着袋へと放り込んだ。


 「悪かったな…白夜……お待たせ…ぅん?どうした?……って

  あぁ…あのミツバチの巣あそこか?少しもらっていくか?」


 神護のセリフに、白夜は満面の笑みを浮かべてコクコクする。


 「はい 欲しいです」


 「わかった……じゃ…ちょっともらうとして……あぁ~……

  入れモンどうするかな?」


 そう言いながら、神護は大きな布袋の中をがさがさと探す。


 ぅん~…あン時に外した装飾品に、金貨や銀貨が大半だからなぁ…

 まぁ…衣類すら入ってなかったからなぁ……なんかねぇ~かなぁ?


 おっ…皮袋…ラッキー…マジで皮袋じゃん…大きさもそれなりだ

 コレにするか?……他に何かあったかな?


 神護は、大きな皮袋を出して、口を開けて中を確認する。

 それは、白夜がビャクヤである時に、ぶどう酒を入れていたモノだった。

 白夜も、それが何の皮袋か判って、少し頬を赤らめる。


 「ふむ、この匂いだと…ワインかな?……どうやらコレは

  ぶどう酒が入っていた皮袋のようだな……まっ酒ならイイか


  ……んじゃ…ちょっと、ハチミツをもらってくるから

  もう少しだけ大人しくしていてくれ………」


 そう言って、神護は白夜の頭を撫でて、皮袋と小川で水を飲んだ時に使ったコップを持って、ミツバチのうろがある大樹を登って行く。


 神護は、ちょっと考えてからうろの真下を軽く叩き、空洞がドコまであるかを確認する。


 そのミツバチが巣にしているうろは、かなり大きいようで、神護の身長分くらい下まで空洞だった。


 ちなみに、神護に害意が無い為、ミツバチは威嚇もせずに、巣を普通に出入りしていた。


 【竜ケ峰りゅうがみね】という、有る意味で封じられた空間の為に、ハチミツハンターも採取に訪れたりしない為に、人間を警戒していないようだった。


 神護は、少し考えてから、自分の指とほぼ同等の枝を折ってから、人差し指でゆっくりと大樹の幹に穴を開ける。


 神護が習った古武術と、身につけた《力》の為に、大樹の幹になんなく穴を開けられたのだ。



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