第38話0038★神護の日常と過去と修学旅行3*神護の家族



 一方、小さい頃からとにかく甘ったれで、母親にべったりだった神護は、何かと手伝いをしていたので、ある程度の主婦業は元から出来ていた。


 例えば、食事はレトルト食品と冷凍食品を基本にして料理を作り……。

 洗濯は、電気代は考えず、乾燥まで洗濯機にまかせる。


 難しいモノは、クリーニングに出す。

 という、忙しい共働きの主婦のような家事を実践じっせんしていった。


 掃除は、真司もある程度は出来たので、一応手伝ってくれたので神護が全部やる必要は無かった。


 買い物は、忙しい真也の休日に、家族全員で郊外の大型スーパーに行きまとめ買いしていた。


 なんといっても、子供が買い物をするのは大変なので…………。

 それなりの金額を持って歩く事は、ひったくりやカツアゲなどの危険があったため…………。


 また、母親の明日香が昏睡に陥った当時は、買った物を持って歩くのも大変なくらい、みんな体が小さかった…………。

 当然、お買い物も重労働だったのだ。


 勤務医の真也は、なんとか時間を作って、子供達に負担がかからないようにと、無理をしたのはたしかなことだった。


 母親が家に居ない生活に慣れていくにつれて、神護は料理に冷凍食品やレトルト食品を使う事が無くなっていった。

 そう、真城家の主婦は、神護なのである。


 神護は、家事(特に料理)が出来ない事が、生活していく上でかなり辛い(家計にも)事を身を持って知ったのだ。

 だから、暇を見つけては、弟や妹に色々と教えていた。


 真司については、教えようという態度に出ると、ケンカになりやすいので、分担(兄弟姉妹全員が交代で土曜日か日曜日の食事を作る)という名目で、無理矢理させていたりする。


 もちろん、やりたくないとゴネた真司に、分担しないなら、ごはんは無いをしたのだ。


 曰く


 『真司、働かざる者食うべからずだぞ

  きちんと、役割を分担しないなら

  真司の食べるモノはない


  せいぜい、親父からの小遣いで

  買い食いでもしてろ


  まっ……その小遣いも…

  半分カットしてもらうけどな


  今のウチに、そんな余裕は無い

  ってこと自覚しろっ』


 そう、神護が怒って、そう真司にのたまったのだ。

 勿論、勤務医のため、家庭を顧みる余裕のない父親の真也パパは、下の子の面倒を一生懸命みる神護についた。


 神護だって、休日ぐらい家事を休みたいと思うのは当然のことだった。


 だから、神護の宣言した通り、家事を嫌がった真司のお小遣いは半分にあっさりとカットされたのも、また事実だった。


 なお真也パパは料理オンチ?なので材料が無駄になるという事で一切させていない。


 だから、神護は人には向き不向き(家事はやれば出来るモノでは無い)があるコト。

 創意工夫(何かとサボる、手を抜く真也パパや真司に家事をさせる)とか。

 妥協(料理がダメなら、掃除や洗濯をさせるとか)という言葉も知っているし、物事に臨機応変で対処出来る性格育っていた。


 勿論、弟や妹を育てた?経験があるので、神護は結婚しても、良い夫であり良い父親になるのは確実なイイ男でもあった。


 だから、本人神護は無自覚で、かなりの女の子にモテていたりする。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る