第36話0036★神護の日常と過去と修学旅行1*理事長の京極 春樹《きょうごく はるき》の主張



 真城 神護ましろ しんご高校2年。

 真城家の次男で、主に家事を担当している。


 趣味は、料理に、祖父達が教えてくれる、世間一般には出回っていない古武術。

 ファンタジー系ラノベに、RPG系のゲームが好きな、わりと一般的な男の子。


 ちなみに、どうしてそうなった?

 婚約者が3人、うち1人が同じ歳の同性という不思議。


 紆余曲折うよきょくせつがあり、高校卒業までは婚約者の件は棚上げということになっている。


 そんな、神護の通学している、私立高校(幼稚園から大学院まである名門私立)では、二年の秋に修学旅行が組まれていた。

 それも、今流行の海外では無く、国内旅行が。


 なぜかというと、理事長京極 春樹きょうごく はるき主義趣味が優先されているからであった。


 それは、海外に修学旅行させるのは、教師学校に多大な労力(+経費)をせまられるからである。


 例えば、近くて安い国と言えば、韓国、中国、台湾等のアジア、ASEAN諸国である。

 が、現在は治安にちょっと?問題が有る国々が中心だった。


 その中には昔、日本が植民地?にしていた国も含まれますし………。

 第二次世界大戦前や最中に侵略した国も、含まれています。


 ようするに、日本に良い感情を持っていない国民が、かなりいる国々なのです。

 また、それを裏からあおる集団も存在していたり…………。


 その上で、日本とは違い国内で宗教上(例えば、キリスト教※カソリックVSイスラム教)の対立。


 政治的(例としては、軍事政権、共産政権、共産主義、一党支配、王族支配、独裁支配、民族主義等VS民主主義推進派)対立。


 民族的な対立による、暴動やテロが起きたりする可能性危険がかなり有るので…………。


 災害や人災やテロで飛行場が使用不能になったり、橋が落ちたり………。

 道路が破損して、通行不能になったりする可能性が、日本国内よりかなり高いのは確かなことだった。


 そして、そういう国は、基本的に、復旧作業というモノがどうしても遅いから、足止めされるのは確実だった。


 その他にも、ジャパンバッシングや反日デモが起きたりすれば、生徒や教師の身の安全が確保出来ない確率が高く。


 もしもがあれば、修学旅行をキャンセル(=支払ったお金を全額没収される可能性が高い)するしか無いし…………。


 現地で何かあれば、言葉の通じない国への引率なので、教師達からボーナス(=危険当ても含むetc.)を要求されるのも確実。


 その上で、災害+人災+テロ等で、予定通り帰国出来なくなったら、滞在費用は旅行代金に含まれないから+して支払うしかないのだ。


 更に、帰国出来なければ、学業にも支障を来たすと言う、瞳に見えないリスクが多々ある。

 保険が有るといっても、戦争、暴動、テロ、災害……は、基本的に担保されないから……学園を経営する京極にとっては、大損である。


 自分達で選んで海外旅行を選択した結果、そういう災害に巻き込まれても………。

 保険でカバーされないと判っていても………。

 支払ったお金を返せと、文句を言うモンスターペアレントは、かならず存在する。

 だから、そんな危険な事をわざわざする必要は無いと思っている。


 そういう信念を持つ京極は、生徒や保護者達が海外への修学旅

行を望んでも頑として拒否していた。

 修学旅行は、リスクが限りなく少ない、安全な国内と決めているのだった。


 保護者にお金を出して貰って行くなら…………。


 『絶対に、国内の名所や遺跡や

  神社仏閣にするべきなのだ』


 と、心の底から京極は叫んでいた。




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