第7話 悪役令嬢を常識人認定させてみた
その日の放課後、レナンジェスは3人の男爵家令嬢と中庭を散歩していた。2人の令嬢はレナンジェスに腕を組んでくる。もう一人はレナンジェスの後ろから抱き着き転生して得たモノを手で摩ってくる。
(素晴らしい!巨乳3人のこの感覚。右の令嬢は少し大きいけど固めだ。左の令嬢は柔らかいけど弾力がある!後ろの令嬢は兎に角当たる胸が柔らかい。これぞ男のロマンよ!)
そんな事を考えながらこのまま3人とエッチするには何処が無難か考える。その時だった。
『平民と娼婦の娘のくせに生意気ですわ』
『貴女方にこの学園は相応しくありません』
(裏庭からのこの声は…嫌がらせシーンだな。でも関係ないか)
そう考えるが悪役令嬢の悲しそうな顔が脳裏をよぎる。
「何をしていますの?」
今度は悪役令嬢のミーアの声が聞こえてくる。
「この方達が因縁を付けてくるんです。それに身分とかそんな物は学園には関係ありません!」
この声は聖女ミュージーだ。
「そうですわ。身分だけしか取り柄が無いなんて悲しすぎますわ!」
今度はルーアの声だ。
(これはまずい!)
レナンジェスは女子3人に待っていて貰うように言うと急いで裏庭に向かう。
「そう、事情は分かったわ。妹とその友人が失礼しました。ここは私に免じて許して頂けないかしら?」
ミーアはモブ令嬢に謝罪する。
『ミーア様がそうおっしゃるなら…』
そう言いながら逃げていくモブ令嬢たち。
「それで貴女方は何をしたのか解っているの?」
今度は聖女と妹にきつい口調で言いだすミーア。
「それは…身分で偉いとかそれは間違っています!」
そう答える腹違いの妹ルーア。
「では彼女等は悪なのかしら?それを言ったら貴族社会の全てが悪になるわね」
「それは…」
ミーアの言葉に黙り込む2人。
「何をしている?」
(あぁ、俺様王子が来ちゃったよ。あと10mで現場に着くのに)
そう考えながら猛ダッシュするレナンジェス。
「聖女と妹を貶めて楽しいか?其方には失望したよ」
第二王子アリウスの怒鳴り声が聞こえる。
「お待ちください殿下」
ようやく現場に到着したレナンジェスは俺様王子と悪役令嬢の間に割って入る。
「何用だ?」
「殿下は勘違いをされています。身分を理由に下の者を虐げる事は許されません。同時に貴族の爵位を関係ないという事は間違っています。それは王政を否定する事だからです。それにミーア様は間違っておりません。家族の過ちを正すのも貴族の務めです。民衆を導くのも貴族です」
「そうか。ミーアは常識人なのだな。それは解った。それでも俺様に意見するとはこれは如何に?」
「それは…」
「その首が要らぬのだな?」
「それで殿下が困らないのであれば如何様にも」
そう言いながらレナンジェスは跪く。
「ほう、その理由は?」
「我が従者のアーンは無くなりますね」
「なっ…」
「それから私の首が無くなればゴックンも無くなります」
「貴様…俺様の弱みを突くか!」
「殿下、ミーア様は立派な貴族です。それをないがしろにするのは如何なものかと。もし殿下が婚約破棄されたのならチャールズ殿下が喜びますな」
「何故そう思う?」
「チャールズ殿下がミーア様に魅かれているからです」
「…誠か?」
「今朝の食堂の言動を思い出されては如何でしょうか?」
「…確かに」
「更に言えばミーア様は公爵家を繁栄させた手腕の持ち主です。ミーア様を失う事はこの国の損失でしかありません」
「そうだな。それはお前も同じだな」
「恐れ入ります」
「ミーア…すまなかった。俺様はミュージーの可憐さに魅かれてお主を煙たく思っていた。それと俺様は嘘が嫌いだ」
「そうですか…」
「済まぬ…俺様をフッてくれ」
「解りました。しかし婚約破棄は王室が出す事です。殿下がそう思われるなら王室から勅命くださいませ」
そう言って振り返りその場を去ろうとするミーア。
「殿下…」
レナンジェスはそう呟くと俺様王子をぶん殴る。それに気が付いたミーアは急いで2人を止めようとした。
「何をする!」
「この唐変木!ミーア様の事をあんたは考えているのか?あんたの為に彼女がどれ程尽くしたかこの国で知らぬ貴族は居ない!それをあんたは…」
「知っているさ…でも俺様には重すぎるんだ!故に純朴なミュージーに安らぎを求めた。確かに俺様はミーアから逃げた。俺様ではミーアを幸せに出来ないからな!」
行き場の無い憤怒と悲しみをぶちまける俺様王子。
「殿下…どのような罰でもお受けします」
レナンジェスは俺様王子の本音を聞いて跪いた。
(死刑は確実だな…短い人生だった)
そう思いながら俺様王子の言葉を待つ。
「そうか。では最も残酷な罰を与えよう」
そしてミーア、ルーア、ミュージー、レナンジェス、男爵令嬢3人を第二王子の部屋に連れ込んだ。
「これは罰だ」
そう言いながら6人の女子の前で…。
「フム、ゴックンも出来たな。これでお前もミーアを傷つけた共犯だ。更にお前の恋人もな」
「…はい」
(終わった。私の学園生活は終わったのだな)
そんな事を考えていた。しかし現実は違う。6人の女子は欲望に塗れた視線をレナンジェスに注いでいた。
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