第3話~討伐クエスト~

北の町に着いたレミア達は早速領主の家に向かった。


領主の家のに着くと冒険者風の人達が長蛇の列を作っていた。


レミアが最後尾の人に聞くとここは冒険者ギルドを兼ねていて冒険者に色々な依頼を行っているそうだった。


レミア達は最後尾に並んで順番を待った。


待つ事2時間、ようやく順番がやってきて、そこには受付らしき男がいて初めてならまず登録をする様に言われ登録を済ませると別の建物に案内されそこで別の人から説明を受けた。


「まずはPT構成は戦士と魔法使い2名?」


男はレミア達を見ながら更に。


「大男と幼女が2人・・まずは試しにレベル1の依頼から始めてもらいます」


男はそう言うと紙にサインをしてレミアに渡した、渡された紙には依頼内容の詳細が書かれていた。


レミアは建物を出る前に男に尋ねてみた。


「ここの領主と会う事は出来ます?」


「領主様に会いたい?そりゃレベル10位のクエストをやらないと無理だよ」


「レベル10ってどんな依頼なんですか?」


レミアが尋ねると男は笑いながら。


「ドラゴン退治とかデーモン退治とかだからお譲ちゃんには無理だよ」



お金のないレミア達は町の公園にいた。


「とりあえずこの依頼をこなしてお金を手にいれよう」


レミアが言うとカカラが


「私は行かないから、だって畑で悪さしてるゴブリン退治って・・レミア1人で十分でしょ」


「そうよねーやよいは情報収集(いい男捜し)してくるわ」


カカラはベンチで寝てしまい、やよいちゃんはあっという間にいなくなってしまった。


「2人共しょうがないな・・レミア1人で行ってくるよ」



町から少し離れた村の村長の家の前にレミアはいた。


「すいませーん、ギルドから依頼を受けて来た者ですが」


少しすると杖をついた老人が現れレミアを見ると。


「お壌ちゃん1人かい?依頼は3人以上って言ってあるんじゃが」


レミアは慌てて


「残りの2人は後から来るので・・」


「それならいいんじゃが」


村長はレミアを家に入れると詳細を話し始めた、夜な夜な畑にゴブリンが現れ作物を盗んで行って困っているとの事だった。


レミアは夜に仲間と合流するので後は任せて下さいと伝え夜を待った。



レミアは深夜過ぎ1人畑が見える木の枝に座り冒険者の基本を読んでいた。


「なになに勇者は初めての町では手当たり次第ドアが開いてる家に入りタンス、壷などを調べて資金調達をするのか・・家じゃねーちゃん達の部屋に勝手に入ったら・・」


まだ小さかった頃の不幸な出来事を思い出した。


ヴィクトリアの部屋の時は「何勝手に入ってるんだ」とボコボコにされ、ナラムの部屋では「お仕置きが必要ね」と何かの実験の生贄にされそうになり、それからレミアは勝手に人の部屋には入らなくなった。


「勇者って度胸あるな・・」って思っていると、畑に近づく人影を見つけ耳を澄ますと何やら会話が聞こえてきた。


「兄貴、そろそろあいつも死にそうだから餌なんて与えなくてもいいんじゃないか?」


「そう言うな、ボスの命令だから諦めろって、ボスのお陰でこうやって楽に盗めるんだから」


「確かに山賊のままだと高レベルの冒険者が来ちゃうから、ゴブリンに化けてやれば高レベルの冒険者は相手にしないしな・・でもいつまでこんな格好しなきゃいけないんだ?臭くて鼻がおかしくなりそうだよ」


レミアの暗視の視界に2人のゴブリンが見えてきて更に話が聞こえてきた。


「しかし、弱ったドラゴンなんて捕まえて、鱗を剥がして金儲けするなんてボスも好き者だよな」


「早く帰らないと俺達も生皮剥がされるかもしれないな・・早いとこ回収して帰って寝ようぜ」


そう言うと畑から作物を抜き始めた。


レミアは「ドラゴンの鱗がお金になるなら」と2人をあえて捕まえずこの2人の後を追う事にした。


村から2時間ほど歩いた所にある山の麓にある洞窟にゴブリン達は入って行った。


レミアは魔法で姿を消してその洞窟に入って行くと、さっきのゴブリン達がゴブリンの衣装を脱いでいた。


「早いとこ着替えて荷物を運んじゃおうぜ」


レミアは2人の後を着いて行くと広い洞窟に出てそこには体を幾つもの鎖で縛られた青いドラゴンが地面に横たわっていた。


2人の山賊がドラゴンに近づき荷物を置くとドラゴンは目だけを開け山賊を睨んだ。


「兄貴、早く行こう魔法の鎖で動けないとは言えやっぱり怖いよ」


「そうだな、俺はボスに報告するから先に帰ってな」


山賊2人は別々の方向に移動するとその場から見えなくなった。


レミアは山賊がいなくなり青いドラゴンの方に目を向けるとドラゴンがレミアの方を見ていてレミアの頭に声が響いてきた。


「そこにいる、デーモン・・何の用だ?私を笑い者にしにでも来たか?」


レミアは何から話そうか色々と考えた結果


「私はレミア、ずばり!貴方を助けるから鱗を少し頂戴」


それを聞いたドラゴンは笑いながら「鱗を頂戴?この魔法の鎖を外せるなら考えてもいいがそう簡単には外せないぞ」と言った。


レミアは姿を現し恐れる事も無くドラゴンに近づき鎖に触りながら。


「これなら解けると思うよ青いドラゴンさん」


そう言われたドラゴンは自分の力では無理だった魔法の鎖を「解ける」と言われ一瞬期待したが小さなデーモンをもう一度見て諦め様とすると。


「青いドラゴンさん、明日の同じ時間にまた来るから待っててくれる?」


「リヴァイアだ・・そう呼べ」


「じゃーリヴァイアさん、解けたら鱗頂戴ね」


レミアは嬉しそうにそう言うと姿を消してその場から離れ町に戻った。



山賊の洞窟から帰る途中、身も知らないゴブリンを数体倒し町に連れて帰りクエストを完了してしっかり報酬を手に入れた。


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