レジ袋、語る

日々は続く。

どれだけ恥を晒しても、どれだけ苦渋を飲み尽くしても、日々は続く。

「早く終わればいいのに」なんて頬杖をつきながら、それでも私は明日の天気予報を確認するのだ。


生きるには弱すぎるが、死ぬるほど儚くもなく。

コンビニのレジ袋みたいな私たちは、今日も風に飛ばされながら、それでも消えずに続いていく。

ボロボロになって、しわくちゃになって、穴だらけになったとしても、それでもまだまだ続いていく。


幸せな人生とはとても言えない、満足な人生まであと何千キロメートルだ?

方向だって間違える。それでもやっぱり飛ばされていく。


昨日も踏まれた。

たぶん今日も踏まれる。

ひどい時には傘でつつかれたりとか。

朽ちることもできずに小さく丸まって。

あの日、買い主から捨てられたあの日からずっとそうさ。

私たちの人生は雨ざらしで進んでいく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る