30日SSチャレンジ 作品集
角霧きのこ
1日目『名前のないもの』
「もし私の名前が変わるんじゃなくて、無くなったらさ。名前のない私を、誰も見つけられなくなるんじゃないかなあ、って考えたの」
テレビを眺めながら、あなたがぽそりと呟いた。
──例え名前がなくなっても、私はあなたを見つけるよ。
そう言いたくなるこの感情の名前は、知らないままでいたい。
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