虫歯予防デー〜口内劇場。
信じられないことに、私は小学校の3年生までは虫歯がなかった。
当時は今より予防歯科の考え方が古かったらしくて、虫歯がある子が圧倒的に多かったので、私は6月4日かその前後の日の朝礼で、全校生徒の前で名前を呼ばれて、数人で前に出させられて、表彰状など受け取ったりしてた。
小学校1年生の時には、歯のコンクールというのがあって、学校の代表として(ほかにもいたのだろう)行かされたりもした。
いま思えば、そんなのに優勝できるような立派な歯を持ち合わせてないことは素人目に明らかで、私の歯は見るからに貧弱(小さいし)。
当時は、ただ虫歯がないというだけで、本当に珍しいことだったみたいだ。
そんな私にめでたくも(?)虫歯が出現したのは、ひとえに私の怖がりのせいで、これは別の機会に書くことにします。
当然のように私の歯は、成長とともに見た目通りの弱さを発揮し始め、そこに大人になっていつからか遺伝的に発現した母親譲りの歯ぎしりが加わり、歯医者に行くと「クラッチ(ひび)がけっこうすごいですね」と言われるまでになる。虫歯は言わずもがな。酸蝕も。
ある歯医者(あの数々の事件のあった例の)で、寝る時にマウスピースをはめましょうって話になった。このままだと…というコワい話もされ、腕を信用してる歯医者だったのもあり、その提案を受け入れた。
8020とか、「ご自分の歯を守るために」ってヤツです。
でも、私は元来、口の中にモノを入れておくってのがどうにも苦手で(食べ物以外)、何か入ってると気になってしょうがないのです。つまり、寝る時にそんなものをはめた日にゃ、寝付きもかなり悪くなるし、夢見もひどい。
噛んでも噛んでも噛み切れないモノを延々と噛んでて、しまいにあきらめて吐き出して目が覚めてみたら、実際にマウスピースを吐き出してた、だとか、誰かから口に入り切らないほどの量の食べ物をどんどん押し込まれて、苦しい〜助けて〜と目が覚めると、マウスピースがはずれて口の中を塞いでるとか。
マウスピースを作ると、よりよくフィットさせるために、実際に試してみながら何度か調整に通わなくてはならない。行くたびに先生に様子をきかれて、寝付きの悪さや夢見の件を話し、「あら、意外に(?)繊細なのね」って言われたのはよいとしても、一番笑われた、いや、呆れられた夢がこれ。
ふつうに人が出てきたり何かしてるような夢を見てるんだけど、その舞台が全部私の口の中、湾曲したマウスピース(歯列)に囲まれた狭い口蓋の内側で繰り広げられていたのです。
小人のような人たちが、まるで私の口の中を舞台にしてお芝居でも演じてるみたいな感じで、私はそれを目で見たり(透視かっ!)、口の中の感触として感じたりしてるわけです。
どんだけマウスピースが気になってるんだか。
それでも、歯を守るためということで、くじけずにマウスピースを完成させ、しばらく使ってました。よっぽど疲れてる日とか、熟睡したいなっていう日はしなかったりしたけど、それなりの期間はしてた。
しなくなったのは、なんだか最近肩こりがあまりにひどいな、頭痛も頻繁に起きるなって思って、もしかしてマウスピースのせい?って思い始めたから。
で、一番特筆すべきは、そうやってしない期間が長くなると、あんなに苦労して、費用もけっこうかかったマウスピースが、いともたやすく合わなくなるってことです!(怒)
最近、歯医者に通ってるついでに、そろそろ年ごろ的にも「歯を守る」意識をもう一度高めようと、くだんのマウスピースをメンテということで持ち込んでみたら、もうまったく合わない!使えない!!
歯科医曰く、「歯は、日々動いてますからね」ってことだ。
なんか、おもしろくない気分。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます