第56話がみち

がみち


一番心が慄え滾ると思う

充ちることなく零れてゆく手桶の杓

這入る糸 なびかないように、目隠し。


人の世界は甘美で、

思考に添え飾れないのに羨ましいやら


心に入らないように

薄めでニヤニヤする

我の道だけを包みたい

光って見える世界を拝見しながら

暗がりを惑うことが好きで在れと塞ぐ

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