第62話 2次ジョブ

俺のやらかしたフラグの回収の後、俺たちはみんなで集まっていた。



『すいません。俺が余計なことを考えたばかりに、酷いことなってしまいました。これからは気をつけます。』


『あれって本当の話だったんですね?…また冗談を言ってると思ったら、あんなことなるなんてビックリでした。』

ヘレンも流石に信じたようだ。



『頑張ったにゃ…

久しぶりに疲れたにゃー。。』



『でも、お陰様で40になりました。2次ジョブをこれで選択できます。』



『おー!おめでとうございます。』

『ダーリン、よかったにゃ!』



『取り敢えずは、あれをどうにかしないといけないですよね…?』


目の前に広がるのは、大量の死体の山。ランダムに転がる大量の魔石…



このアレフザック街道のモンスターは、強いため魔石がルピーとしてそのまま利用することができないのだ。代わりにギルドに持っていけば高値で買い取って貰える。


正直疲れていたので、魔石や素材を集めたくはないのだが、俺の勿体無い病が出てしまった。疲れで重い体に鞭打って、魔石や高値で売れる素材をヘレンの指示で剥いでいく。


全て終わる頃には昼を回っていた。休憩も兼ねて、軽く昼食をとることになった。



『疲れた~!』

俺がごろんと横になって休憩を始めると、


『本当に朝から大変でしたね…』

ヘレンが優しい声音で言ってくれる。


ましろは俺の服の中に入って眠っている。

(ありがとう。ご苦労様…)



昼食はパンと水のみ。それでも、お腹が膨らむことで、気持ちも落ち着いてきた。




『アランさん、今のうちに2次ジョブを選択しますか?今なら私が警戒してるので、ゆっくり選んでも大丈夫ですよ!


それに、アランさんが敵に来て欲しくないと思ってればモンスターは来なさそうですしね?』



『そうですね…それじゃー今から選択してもいいですか?やり方は成人の儀と同じでしたよね?』



『そうです。大事な選択なので、ゆっくり決めて下さい。』



(なんかドキドキしてきたな…


オータス。)



名前 アラン

種族 ヒューム

年齢 12歳

力 458(508-100+50)

体力 1028(736+73+219)

俊敏 723(603+60+60)

器用 1567(1207+240+120)

知力 417(463-92+46)

魔力 379(421-84+42)


ジョブ 遊び人lv41

ジョブスキル 逃げ足、口笛、流し目、体力成長、器用成長、チャーム、絶技、チャームⅡ、フェロモン、即時回復

称号 転生者、神ファルスの加護を受けし者、魔物を狩りし者、ネズミをテイムせし者、初心者ダンジョンを制した者、ハーレム野郎



(あれ?さっきの戦闘で2レベル上がったのか?41になってるな…


まあいい、確か次は…


プロファッション!)



【次の中から2次ジョブを選択して下さい】

1、ジゴロ

器用が大きく成長する。異性を巧みなスキルにより喜ばせ、よりお金や物を貢ぐのを幸せと感じるようにするスキルを覚える。


2、ギャンブラー

隠しステータス運が大きく成長する。ギャンブルに関する勘が鋭くなったり、運を上げるスキルを覚える。


3、付与師覗式(ふよしのぞきしき)

鑑定スキルにて人や物の秘密を覗ける。覗くことに特化していく。素材を消費することで装備に特殊な効果を付けることができる。



(これは……!賢者はやはりなかったか…


ジゴロはまずない!遊び人の特性をそのままパワーアップさせる感じだ。。


ギャンブラーか…ギャンブルなんてするつもりはないけど、運を伸ばすのは、なしではない…


付与師覗式?何だそれは…付与師と言えば1次ジョブの筈なんだが…ちょっと特殊な感じなのかな?説明を見る限り、鑑定に特化した感じだけど。。


でも、付与できるのはいいな…もしビアンカと国外に逃げることになっても手に職をつけられるかもしれない…?


よし!決めた!!)




【アランはジョブ付与師覗式を選択した。】

【スキル 鑑定S を取得しました】



2次ジョブを選択すると、目の前にあったステータスに変化が現れる。



名前 アラン

種族 ヒューム

年齢 12歳

力 458(508-100+50)

体力 1028(736+73+219)

俊敏 723(603+60+60)

器用 1567(1207+240+120)

知力 417(463-92+46)

魔力 379(421-84+42)


ジョブ 遊び人lv41、付与師覗式lv1

ジョブスキル 逃げ足、口笛、流し目、体力成長、器用成長、チャーム、絶技、チャームⅡ、フェロモン、即時回復、鑑定S

称号 転生者、神ファルスの加護を受けし者、魔物を狩りし者、ネズミをテイムせし者、初心者ダンジョンを制した者、ハーレム野郎


(鑑定S説明)


鑑定S

人や物の隠された秘密を見ることが出来る。ジョブレベルが上がると、見られる秘密が増えていく。




(あれ?ステータスに何の変化もない…ジョブによる補正はプラスもマイナスもないということか?それに、鑑定の後についてるSってなんだろう?ハイド。)



(取り敢えず、試してみるか…先ずは声に出さなくても鑑定のスキルを発動出来るのか…出来ないのか。)



俺は、意識を集中し寝ているましろを見る。心の中で、鑑定と唱えると。目の前に、情報が現れた。


鑑定内容

名前 ましろ

種族 ネズミ



(おお!出た。声に出さなくてもいいのは便利だ♪Sも言わなくてもいいみたいだ。ヘレンさんも見せて貰うか。鑑定!)


鑑定内容

名前 ヘレン

種族 ヒューム



【ジョブレベルが上がりました】



(おお!鑑定するだけで、経験値が入るのか!!これは結構いいジョブではないのか?)


今度は試しに、持っているナイフを鑑定してみることにした。


鑑定内容

名前 なし

種類 ナイフ

ランク G


鑑定内容

名前 なし

種類 ナイフ

ランク H



(このランクによって価値や強さが決まってくるのかな?まあ、強姦の下っ端からくすねた物だし大した物ではないのは分かってたけど…


しかし、この鑑定面白い♪)



それから俺はそこらにあるものを片っ端から鑑定していった。

どのくらいの距離まで鑑定出来るのか、どのような物なら鑑定可能なのかを測っているのだ。



すると10回目くらいでまたアナウンスが流れる。


【ジョブレベルが上がりました】

【スキル 付与S を取得しました】



(お!もう2つ目のスキルだ。オータス!)


名前 アラン

種族 ヒューム

年齢 12歳

力 459(510-102+51)

体力 1030(738+73+219)

俊敏 725(605+60+60)

器用 1569(1209+240+120)

知力 419(465-92+46)

魔力 381(423-84+42)


ジョブ 遊び人lv41、付与師覗式lv3

ジョブスキル 逃げ足、口笛、流し目、体力成長、器用成長、チャーム、絶技、チャームⅡ、フェロモン、即時回復、鑑定S、付与S

称号 転生者、神ファルスの加護を受けし者、魔物を狩りし者、ネズミをテイムせし者、初心者ダンジョンを制した者、ハーレム野郎


(付与S説明)


付与S

素材を消費することで装備に特殊な効果を付けることができる。通常の付与より、良い効果を付与出来る。



(これは、もしかして凄いんじゃないか?やっぱりSってスペシャル的なSっぽいな…ということは、鑑定も普通では見れない内容も見れるってことか?これは、徐々に試していくしかないか。)



そこから、再び鑑定の検証を続けていると、鑑定について色々分かってきた。


まず距離は、俺がその物や人の全体を把握出来れば鑑定可能らしい。ただし、点にしか見えないほど遠いと全体が見えている筈でも反応しなかった。


それが、おおよそでもどんな形や色をしているなどの最低限の認識は必要なようだ。


そして、どのような物なら鑑定できるか、これも同じ原理だった。俺が全体を把握出来るかが問題となるようだ。


大地を鑑定しても、どこまでが大地か分からないので反応せず、手の上に土を乗せて鑑定をすれば、その土は鑑定可能だった。


空も同じように鑑定できなかったが、全体が見える雲は鑑定できた。



試しに太陽を鑑定してみたら出来てしまった。


そのものの大きさや距離は関係なく、俺自身がそれをある程度把握出来てれば鑑定は可能ということだろう。




(検証はひとまずこんなものだろう…ヘレンさんに2次ジョブについて報告しないと。)



『お待たせしました!時間掛かってすいませんでした。』


『いえ、大事な選択なので、時間は掛けるべきです。それで、いいジョブはありましたか?』


『はい!意外にもまともなジョブが選択肢にあってビックリしました。俺は、2次ジョブは「付与師」を選択しました。』



『付与師?あれって1次ジョブですよね?2次ジョブで選択出来るなんて聞いたことないですが…』


『選択肢に入ってたんですから、仕方ありません。しかも、1次ジョブの普通の付与師よりも、良い効果を付与出来るらしいんです。』


『おお!それは凄いですね!?そのうち、私の剣にも付与をお願いしないといけませんね?』


『そんな凄い剣に付与するのは、もっと付与の練習してからにさせて下さい。』


『じゃあ、今は予約だけとさせて貰いますね。』



『そういえば、2次ジョブを持っていると経験値の分配ってどうなるんですか?』


『戦闘で得られる経験値は1次ジョブと2次ジョブに半分づつ入ることになりますね。中にはそれを嫌って2次ジョブを選択しない人もいると、聞いたことがあります。


ただ、ジョブ固有の経験による経験値は分配されません。』



『なるほど、色々教えて頂きありがとうございます。』




こうして、俺はとうとう2次ジョブを手にいれたのだった。



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