第5話
「ふぅ、やっと学校に着いたよ。いつもより長く感じたー」
「お疲れ様。よく裸足で歩けたね〜」
私なら無理〜っと言いながら恵は自分の靴を脱いでいた。私は裸足なのでそのまま廊下へと進む。 リノリウムの床がひんやりとして気持ちいいけど、やっぱり周りの人がは私が裸足なのが気になるみたいで、視線を私の足元に向けていた。うぅ…恥ずかしい。
私たちが通う、私立杜ノ星高校は学力は平均的だが校則に厳しいと有名な高校だった。
勿論、裸足の子なんていないので本当に私は目立っていた。
「やっぱり恥ずかしすぎるよ。恵、一緒に裸足になってよ…」
「えぇー、流石に嫌だよぅ。学校以外ならいいけど」
「だよねぇ。わかってた」
まぁダメ元でお願いしただけなので、断られる事はわかってた。 廊下をしばらく歩いていると、
「おい!ちょっと待て!」
後ろから男の声が聞こえてきた。初めは誰に言っているのかわからなかったが、次の一言でその言葉は私に向けられたものだと言うことに気付いた。
「おい!そこの裸足の奴!ちょっと来い!」
声を上げていたのは学校一厳しいと言われている先生だった。
「はい。なんでしょうか」
私は恐る恐る先生の元へ。
「お前、靴と靴下はどうした? なんで裸足なんだ!」
「すいません。これには事情がありまして」
「ほぅ?どんな事情か気になるな?この高校の校則が厳しいのは承知の上なんだろうな?」
やばい、これは本当にやばい。でも正直に言って許してもらうしかない。
「それが、靴や靴下を履こうとすると電気が体の中を走ってそれで裸足じゃないといけないんです」
「なんだそれは!そんな話聞いた事ないぞ!ちょっと恋来い!」
そうして私は首根っこを掴まれて生徒指導室へと連れられた。
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