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 ……異種間族同士の恋愛どころか、普通の恋愛もしたことねぇよ。


 俺はその依頼書を掲示板に戻し、とりあえず飯でも食おうと思った。


 ノートパソコンを近くの机に置いて、ふと、気付く。


 このノートパソコンには、異世界の歴史が書かれているハズだ。


 俺はノートパソコンを開いた。


『俺は異世界で神になる!』の物語は、すでに5億ページ以上もある。


 俺は検索のコマンドを探し、試しに〝盗賊団の討伐〟と入力してみる。


 表示されたのは〝5万3724件、検索結果が多すぎます〟の文字。


 全部を読んでいたら日が暮れちまうと思いつつも、これは凄い力だと気付いた。


 すでに知っているタルサに比べたら時間がかかるものの、地道に検索していけば、俺はこの異世界の情報を全て持っているのと同じだ。


 それならば、タルサと同じように、情報を武器に戦える。


 さらに言えば、これを一つの商売として成立させることだってできるはずだ。


 俺は手始めに、ⅮⅮランクの依頼にある、盗賊団についての情報を調べてみる。


『俺は異世界で神になる!』は、俺がいない場面では三人称視点で書かれた物語だ。


 その文章は時系列順に書かれていて、情報ごとにまとめられている訳でもないため、探すにも骨が折れる。例えば〝盗賊団〟というキーワードがヒットしても、俺の知りたい依頼とは別の盗賊団だって、この世界には無数に存在していた。


 ひとつの事柄ことがらを調べるにしても、それなりに時間がかかる。


 気付くと日はかたむいており、集会所は夕食をとる人々であふれていた。


 俺は可能な限り〝盗賊団〟について調べ終えていた。


 近くの道具屋でペンと紙を買い、それらをまとめあげる。

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