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 俺の気持ちを繰り返してくれた文章を睨む。


 そこに書かれていたのは、現状の俺と全く同じ状況だった。


 どこで俺の本名がバレたんだ?


 いや、それに加えて、続きが白紙なことも気になる。


 未来が分からねぇのも俺と同じって訳か? まったく拍子ひょうし抜けというか、これじゃヒントにもならない。異世界転生モノだとしたら、ちゃんと説明する女神様を用意してくれよ。指示待ち人間代表の俺には、これからどうすればいいのか分からないぞ。


 そこまで考えて、ふと思う。


 ここに書かれている文章は、俺の状況と全く同じ。


 なら、ここに何かを書き込めば――現実にも同じことが起こるんじゃないか?


 それは冗談半分な思い付きだったが、キーボードに指を走らせる。


 これでも俺は、本気で小説家を目指していた。


 ブラインドタッチだって覚えたし、この物語に足りないモノを、書き足してやろうと思う。


 俺は一文を書き足し、期待に震える指で、エンターキーを押した。

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