第22話~再戦の時、再会の刻~

美由紀と片山は定期巡回を終わらせ宿の食堂で晩ご飯を食べ終えお茶を飲んでいると、宿の女将さんが1通の手紙を持って来た。


女将に聞くと2人が外出中に男が来て西谷様に渡して欲しいと置いて行ったそうだ。


2人は女将さんにお礼を言うと急いで片山の部屋に行き封筒を開けた。


中にはカードが1枚と入場券2枚が入っていてカードには「UDSからの招待状」と「今夜0時に千葉ネズミランドへ」「なお招待は西谷、片山の2名とする」と書かれていた。


2人は直ぐに支部に報告をして指示を仰いだ。


少しして中神から指示の連絡が入った。


「間違いなく罠とわかっているが十分注意する事と特殊指定犯罪班をまわすそうです」


了解と答え2人は地図を広げ作戦を練ってみたが、こちらの場所もばれている事を考えたら下手な小細工しないで正面から行く事にした。



時刻は23:58分月明かりが照らす閉園したネズミランド正門に2人は立っていた。


「行くよ雪ちゃん」


美由紀がそう言うと片山は「うん」とだけ答え2人は歩き始めた。


正門の時計が0時を示すのと同時に正門がスウッと開き、そこにマスコットキャラのネズミー君が立っていた。


2人が身構えるとネズミー君は違うとばかりに手を振り今度はこっちに来てと身振り手振りをした。


2人は警戒しながら近づくと、ネズミー君は背を向けて園内の方へ歩き始めた。


ネズミー君の後をついていくと片山が小さな声で美由紀に


「雪ね、ずっと北海道にいたから、ここに友達と来るのが夢の1つだったんだ」


「初めてがこんな時間になっちゃったけど、美由紀ちゃんが一緒でよかった」


そう片山が言うと黙って聞いていた美由紀がニコッとして


「私も雪ちゃんが一緒でよかった、今度ちゃんとした時間に遊びに来よう」


片山は「うん、ありがとう」と答えた。


ネズミー君に案内されて着いた所は中央の広場だった。


少しすると広場周辺だけ明かりが点いて執事姿の男が1人現れた、その男は以前片山の前に現れた男だった。


2人が戦闘態勢に移行すると男がお辞儀をしながら


「私は橋本と言いますが今日お嬢様方と戦うのは私では無く・・」


橋本がそこまで言うとネズミー君が急に膨張して破裂して中からジェイソンが現れた。


「グハハハ待っていたぞ、こないだの借りを返してやる」


ジェイソンが言い終わると同時に2本の金棒を具現化させ2人にめがけて襲い掛かってきた。


それを見た橋本がやれやれとした素振りをしながら


「まったく人の話は最後まで聞かないと・・まぁいいでしょうショータイムの始まりです」


橋本は言い終わると近くのベンチに座りタバコに火を点け戦闘には手を出さなかった。


ジェイソンは金棒を振り回すがなかなか2人には当たらなくイライラしていた。


片山が動きを止め美由紀が攻撃するいい展開になっていた。


美由紀の攻撃が何回かヒットした時にタバコを吸い終えた橋本が


「ジェイソン時間切れだ」


そう言うと指を1回鳴らす。


ジェイソンの攻撃が止まりジェイソンは悲痛の声をあげた。


「い、いやだー」


そう言うとジェイソンの背中から昆虫の足が出てきてジェイソンを引き裂いて巨大な蜘蛛が具現化した装甲を付けて姿を現した。


「いやだなんて・・復讐したいって言ったから改造してあげたのに」


橋本は薄笑いを浮かべながらもう一度指を鳴らす。


指がなると同時に巨大蜘蛛は異常な速さで動き始めた。


巨大な蜘蛛は口から物質を溶かす液体を吐き、金棒の時の様な打撃の足、尻から粘着のある糸を使って攻撃をしてきた。


美由紀と片山が攻撃をするが、硬い装甲を破る事ができなかった。


その様を見ていた橋本が満足そうな笑みをしながら


「ではお嬢様方、私は他の用事があるのでこの辺で」


橋本は一礼をして橋本は暗闇の中に消えて行った。


片山が足止めをするがジェイソン蜘蛛の馬鹿力でなかなか動きを抑える事が出来なかった。


何かいい方法はないかと2人は考えていた時2人にルナ間会話が聞こえてきた。


「合図をしたら氷を使っている人は片側の前足の2本を同時に凍らして、西谷さんは魔具を槍にして糸を出す所を攻撃して」


それと同時にそのイメージが2人に流れてくる。


声の主が誰なのか美由紀にはわかったので躊躇している片山に合図が来たらお願いと言うと片山は頷いて合図を待った。


ジェイソン蜘蛛が勢いよく前進してきた時に合図は来た、片山は片側の2本の足を氷の蔦を使い巻き上げジェイソン蜘蛛は前のめりになり転倒し後ろ部分が美由紀の前に現れた、魔具を槍にした美由紀は糸を出す所へ投げつけ槍がそこに刺さると美由紀達の後ろから稲妻が一閃し槍を直撃した。


ジェイソン蜘蛛はビクビクした後のたうちまわりそして動かなくなった。

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