197_こどもおじさんの跡地

穏和だった父は知らない女性を追いかけるようになった

陽気だった母は思い付きで何処かでかけるようになった

応えようとした僕は知らない人たちに謝るようになった


穏和だった父を知る人はもういない

陽気だった母を知る人はもういない

いるのは冷たい目線を受ける僕だけ


父は生きている

母は生きている

僕は生きてない


捨ててしまおうか

刺してしまおうか

死んでしまおうか


相談しても同じだ

結局全部僕のせい

みんながそういう

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