179_高い僕と低い花

高いところでみんなを見るのが好きだったから

これだけ高いところに来れるものを築いてきた


景色に満足したら高くして高くして

繰り返しで僕の欲は積み重なっていく

この高さは僕か僕の欲か


そうして調子に乗っていくのが僕で

突然やってくる大地震で全てが崩れる


命からがら逃げだしても

高いところから低いところへ

僕の残骸が降り注ぐ


最後に見たあの名前も知らない花は

とても低くて

とても小さくて

でもしっかりと根を張って立っていた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る