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たった一人の弁護士で、全ての会社や学園の法律行為が行えるのでしょうか。
しかしその心配は 全く心配ありませんでした。
島太郎の考えは 父親から引き継いだ全ての会社と学園を売却するというものでした。
会社は それぞれのライバル会社に、売り払いました。
さらに学園は、自由な気風の学校法人に売却したのです。
弁護士は この業務を行うためのものだったのです。
島太郎が行なったのは、これだけではありません。
島太郎の屋敷に仕える、じいやさん、家政婦さん、運転手さんを 全て解雇しました。
もちろん退職金などは、びた一文ありません。
突然の解雇に、皆 驚き、考えを変えてくれと訴えました。
けれども島太郎には、彼ら彼女らは 最早必要ありません。
なぜなら 島太郎は相続した、土地、屋敷、何台もの自動車、そして高級家具など お金になるものは全て売り払い、お金にならないものは 廃棄物として 処理してしまったからです。
全ての法律行為を顧問弁護士が 終えた時、島太郎は彼をねぎらい、かねてからの約束通り多額の謝礼を支払いました。
最後に、彼とも二度と会わないことを約束する念書を交わし 別れたのでした。
今、島太郎の手元には莫大な金が唸っています。
それは 相続税や所得税を支払っても、一般のサラリーマンが生涯に得る収入の数百人分にもなります。
人間関係のわずらわしさから解放された島太郎は、数十冊もの預金通帳や身の回りのものを 旅行カバンに詰め込み、放浪の旅に出たのでした。
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