第76話 力こそ相撲の醍醐味でもあるよね

「ミノタンシオ様~まけないで!」


ミノスの女性達の声援がとぶ・・・思わず笑いそうになってしまう・・・


しかし、ミノタウロスの戦士は大きいな・・250cmはあるだろう。


「しかしでけえな!お前」


「ふん!人間が小さいだけだ、我等ミノスの戦士は生まれた時より戦う使命をもつ、その代償でこの体を得る」


「ふーん!まあ俺も似たようなもんだ、じゃあ、やろうや」


トシイエもでかい、190cmはある大男だ・・何度か剣術の手合わせをしているが、なかなかに強い、力もハムラに近い剛力の持ち主だ。

そもそも守護者の子供は、能力付与が無くても高い能力を持つようだ。特に正式な伴侶の子供は身体能力のほかに魔力も高い事が多いという事だ。


オワリにはノブナガの子供が数百人いる、それだけでオワリは驚異の国といえる。その中で正式な伴侶の子は5人と聞く


その第2子がトシイエだ・・・トシイエは特に力が強い、他にノブナガに与えられた能力もあるはずだ・・それはどんな能力なのかわ俺には分からないが・・・

守護者が子供に与える能力で多いのが『衰えない体』これにより寿命が無くなるし、長い年月の修練で能力付与並の力も得る、

トシイエに関しては母親がエルフなので能力付与に寿命関連を指定していない可能性が高い。


「はじめ!」


その合図と共にミノタンシオは猛烈な突進でトシイエを場外に追いやろうとする


「うぉ!すげえ突進力だな・・」


トシイエはミノタンシオの角を掴み堪えるが土俵際まであっという間に追いやられる


ミノタンシオの鼻息が荒い!


「もうすこし!ミノタンシオ様!」


ミノスの女性達の声援が飛ぶ


「おい変態!負けんな!」


ミュイミュイも声援を送る


「トシイエ様!こらえて!」

カエデも声援を送る


「トシイエさん!頑張って!」

ジュリちゃんの声援だ!



ぬぉおおおりゃ!


トシイエはその声援に応えるかのようにミノタンシオの角を抱えその巨体を持ち上げ始めた


ドッセ~イ!


ドシ-ン!


「うぉおおお」


歓声が大きくなる


「ふぅ!これがオワリのウッチャリだ!」


ミノタンシオは立ち上がり

「まさかな、あそこで逆転されるとは・・・オワリの男もやるもんだ・・・」


ミノタンシオは手を差し出す

トシイエとミノタンシオは握手を交わした


周りからは声援が飛んだ・・


「カエデちゃんトシイエさんって凄いね、自分の倍ぐらいある人を持ち上げて投げちゃった」

ジュリがカエデに声をかける


「はい!トシイエ様の身体能力はオワリ1ともいえます・・・性格はあれですがね・・・」


観衆達は成人のミノスの戦士がスモーで負かされた事に驚きを隠せないでいたが、その雄姿に拍手を送る

それにこたえるトシイエ・・その精悍な顔と肉体的な体が光り輝くようだ

流石はオワリの第2皇子といったところか。


土俵に向かうハムラとハイタッチをかまして戻るトシイエ

悔しいがかっこいいな・・・


「ジュリちゃん!見ていてくれたかい・・・俺の雄姿を」


「ちょっと・・近いです・・・ただかっこよかったですよ・・・だから近いです・・」


すこしジュリちゃんに変化が出たようだ・・・


ハムラとミノモンタが向かい合う


ハムラも2mはある巨体だがミノモンタは3mは有りそうだ・・・

グラス1の怪力ハムラ一体どういった試合になるのか。


「まさかミノスの戦士が立て続けにスモーで負けるとはな・・・外の世界も広い物だ」


「引き籠ってばかりじゃ、自分の力なんてわからなくなるもんだ・・・俺より強いなんて奴はいねえと思っていた、しかしどうだ、グラスに来てから俺が倒せない魔物を噛み殺す犬、その飼い主の守護者も硬い魔物をバッタバッタ切りまくるしかもそいつは魔法使いだ、剣士でもねえんだ、世界は広いんだよ牛男さん」


ハムラは自慢の兜を脱いだ、ハムラの角は一本角、頭の天辺にはえている。


「いい兜だな・・・我も欲しいくらいだ」


「お!わかるか・・お前はいい男だ・・・」


二人は会話しながら土俵の線の上に立つ


「はじめ!」


その合図と共にぶつかる二人


組み合った二人は押しつ押されつのいい勝負だ


ハムラがじりじりとミノモンタを押し込むすると土俵際上手く体を入れ替えたミノモンタは形勢逆転になるかと思いきや、またハムラは押し返す。


押す力では体はハムラの方が小さいが強いみたいだ。


「ミノモンタ様が押されている・・・始めてみた・・・」


観衆も固唾をのんで試合を見守る、


再び反対側の土俵際まで押し込むハムラ、ミノモンタのふんどしを取り下から持ち上げる、3mの巨体はハムラの後ろマワシならぬふんどしを掴み、つり上げに入る。


どぉりゃあ!


ハムラの気合と共にミノモンタの巨体は持ちあがった、そのまま場外へと出た


「まいった」


ミノモンタは潔く負けを認める


「どうだ!俺は世界を知る鬼人だ・・そこいらの鬼人と違うからな」


二人は固く握手をする


観客は一斉に二人をたたえ始めた


次は俺か・・・いったい誰が相手だ?



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