第71話 銭湯の作法は大事だよね
エビスの町。
名前的に何処か日本ぽいなと思っていたら、住人も日本人なら知っていそうな種族だった
ミュイミュイの解説だと
男はウミボウズ族、女はイソオンナ族
男はみんなつるっぱげで、魚を取る仕事をしている、女は海に潜り貝などを取る仕事をして、お互いに夫婦になる事が多いらしい。
「でっけ~船だな!」
港に集まるウミボウズ達は頭をまぶしく光らせながら俺達を迎えた
「焼いたサザエはいらんかえ?」
イソオンナ達は俺達に商売をする、旨そうな匂いだ・・・グラス硬貨が使えるというので買って食べた・・・美味い・・サザエの壺焼きだ・・・久しぶりに食べたな、日本酒が欲しくなる、醤油も欲しいな・・・交易すればこの町で流行るだろう。
エビスの町は大きい・・そして木造家屋がどこか日本的だ・・銭湯のマークがある
『キンタロウ丸』にも風呂はあるが海水風呂だ・・・シャワーは真水だが、真水の風呂に入りたいな
「みんな!風呂に入らないか?」
「いいなあ!塩風呂も悪くないが!やっぱオワリの人間は普通の風呂に入りたい」
トシイエが乗ってくる
「俺は熱い風呂は苦手なんだよな・・・それにエビスは風呂のルールが細かいからなあ」
ミュイミュイは少し入りたくなさげである
「私達も熱いのは苦手です」
ジュリとミュイも熱いのは苦手らしい
「お客さん!うちには水風呂もあるよ!綺麗な真水の水風呂だ!最高だよ!それに蒸し風呂!体中の垢が落とせるよ!」
銭湯の客引きが説明しに来た・・耳がいいな
「お!蒸し風呂があるのか?鬼の国を思い出す」
ハムラは蒸し風呂に惹かれているらしい
やはり一行で銭湯体験することとなった
「ああ!いいですか!よその大陸から来た人は銭湯のしきたりがあります、まず湯船につかる前に必ず体を洗って下さい!垢をこすってこの溝に流して下さい・・後でナメ・・回収します!銭湯に来る時は垢を一杯貯めこんでおいてくださいよ!特に魔力の高い人の垢は・・・」
最初は銭湯の説明だったのに・・だんだんアカナメ族の好みの垢の説明になっている・・要するに妖怪アカナメだ・・・
しかし、アカナメが住み着く風呂は清潔になるという前世界の言い伝えのようにとてもきれいな風呂だ!
女子風呂の方からキャピキャピ声が聞こえる、これもまた銭湯の醍醐味の一つだな。
「シーナさんすごーい・・・うらやましいです・・」
「ふふふ!ありがとう・・」
いかんいかん、いらぬ想像をしてしまう・・・・
「師匠も!均整のとれた美しい体です」
「そ!そんなにジロジロ見ないでくれ・・・集団で風呂に入る風習がわたしにはないので恥ずかしい・・私は・・・蒸し風呂にいくぞ」
あああ、駄目だ声が聞こえすぎる
サウナに行こう・・・ここか・・・え?
サウナの戸を閉めた・・・・
ここ男湯だよな・・・先客がいた・・・明らかに女性だ・・・てかシャルロットだ・・・
あれ?
サウナは混浴か・・もう一度戸を開けてみた・・・湯気の中に見える影・・・目があった
シャルロットも固まっている・・・・
「で・・・でよう・・・ここは女の子が入らない方がいい・・・・」
シャルロットはうなづいた・・・
顔が真っ赤だ・・・すまない・・・いろんな所を見てしまった・・・・いや・・見なかった事にしておこう・・湯気で見えなかった・・・
シャルロッテは静かに出て行った・・・色々すまない
「おう金ちゃん!蒸し風呂かい・・俺も一緒するぜ!」
ハムラが入ってきた、慣れた手つきで石に水を掛ける
「おうおうおうこれこれこれ!これだよ!汗が体中から出てくる」
「俺も入れてくれよ!」
トシイエも入ってくる
「ああ!オワリにもあるけど蒸し風呂はいいなあ・・・うん?なんだこっちにも戸があるぞこっちも風呂があるのか?」
「あ!駄目だトシイエそっちは・・・」
「おお、こっちにもでけえ風呂があんぞ!うん?」
闇球がトシイエのあそこに直撃した、トシイエは泡を出して倒れた・・・
ハムラと俺はトシイエの足をもってサウナを出る・・・
「女風呂とつながっているのか・・・・恐ろしいな・・あの攻撃はあの魔女か?」
「だろうな・・・」
こうしてエビスの銭湯体験は終わった
非常にさっぱりした
更にエビスの町を歩く・・
「お客さん!宿はお決まりかい?止まって行きなよ!うちはエビス1の料理がでるよ!」
「いやいや、うちにおいでよ!うちの女中は美人揃いだ!人間族の娘もいるよ!」
エビス・・・恵比寿・・・恵比寿様・・確か漁業の神で鯛を担いだ七福神で商売の神様でもあったな・・・
エビスはゴルゴンの中でも特別区でここには各国の商いが許されている、怖いもの見たさでゴルゴンに来る人間は意外に多いようだ。
ゴルゴン外の商品もエビスに集まるのでエビスは他の大陸のほかにゴルゴン大陸からの観光客も多いらしい。
町には魔物の国らしく様々な種族がいる。
あっちは歓楽街か・・・・そういう女の人が多く客引きをしている通りもある・・気が付けばトシイエがいない・・・まあそうだろうな。
人間が経営する宿に決め、もうすこしエビスの町を堪能した。
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