第10話 結婚式はやった方がいいよね

さて、施設の子供達、村長のザック防衛長のバーグ、露木商店のララさんミミさん。

みんなを家に招待した。


ザックさんには、予め用意した衣装に着替えてもらう


ザック

「イノケ教の神官みたいな服装ですね、金ちゃんはイノケ教なのかい?」


「いや違うよ雰囲気だよ・・これセリフね、覚えてよザックさん」


ザック

「イノケ教の結婚式のセリフとは違いますね、私が子供の頃見ましたが、覚えています。


汝ら夫婦となり生涯イノケンティウス教皇を神として誓いますか?だったかな?」


「それは怖いね」


ザック

「でもイノケの人達はそれが幸せなんですよ、私はあの中が怖かったなあ 

信じなければ殺されるというのがまかり通っていた世界でした。」



「そこをグラスさんに助けられたの?」


ザック

「私の両親がイノケ教の信者でした、しかし私は信じられなかったんですよ

信じない者には死を与える世界ですからね、私は親に連れだされ裁判に掛けられました

そして死刑が言い渡されました。そこを助けてくれたのがグラスさんです。

グラスさんは強かったからですね、イノケンティウス教皇も逆らえなかったですよ、

私は国外追放で免れました 親はどうなったか分からないですね・・・」


「つらい事を聞いてしまったな」


ザック

「グラスさんは、私達がいくら言っても、私達の支配者にはなってくれなかったんです。

グラスさんは、対等な仲間として付き合えないならこの島を出て行ってもらうと・・・

そう言ってましたね、だから、みんなあんな偉大な人なのに、ご近所みたいに付き合ってたんですよ。

他の守護者様は皆、王や神になっているのに、あの人はいつも一人で行動していましたね」


「うん、そうらしいね」


ザック

「でもね、厳しいところもありましたよ。魔物の襲撃も基本的にグラスさんは助けてくれなかった。

村人で対処させてました、だからここの村人は男は戦闘技術、女は治癒魔法をみんな覚えます。

エレンさんがいろいろ学校を作ったりしてね、この村が生き残っているのはグラスさんのおかげだよ


バーグ

「でも時折俺たちの手に負えない魔物が出ると助けてくれたな・・・いつも見守ってくれてるんだ


ララ

「だから、金ちゃんも頑張んなさいよ!」


ララさんに背中を叩かれた、うん、これが俺の立ち位置


でも居心地はいい、この村の住民は誰の支配も受けない、それがグラスさんの教え、あえて言えばグラス教だ。


さて、そろそろジェニファーが帰ってくるな・・・



ジェニファーが街の買い物から帰って来た


ジェニファー

「ただいま~、あれ?みんなそろってどうしたの?」


「結婚おめでとう~」

みんながいっせいにジェニファーに祝福のメッセージを送る。


子供達が、ジェニファーに手紙を読み上げる所では、ジェニファーはボロボロに泣いている。



「ジェニファー、これを着て見てくれないか?」


この日の為にポチっていたウェディングドレスを渡す


ジェニファー

「これってあの映画の?」


「ララさんミミさんジェニファーの着替えを手伝ってもらっていいかな」


ミミ

「いいよ 綺麗な布だね 光る布なんて初めて見るよ」


さて俺も着替えよう タキシードに



神父役にザックさん


そして、ウェディングドレスに身を包んだジェニファー・・・綺麗だ・・・


タキシードを着た俺・・・なんか借りてきた衣装みたいだ・・・


ザック

「汝ツユキキンタロウはこの者 ジェニファー・ツユキを生涯の伴侶として

盟友グラスに誓えますか?」



「誓います」


ザック

「汝ジェニファーツユキは 盟友グラスの名の元 この者ツユキキンタロウの伴侶となる事を

ちかいますか?」


ジェニファー

「ち、誓います!」


ザック

「では誓いの口づけを行い指輪交換を行いなさいこの者達が夫婦になる事を盟友グラスの名の元ここに宣言しましょう」


俺達はキスをした、そしてジェニファーに指輪をはめた。ジェニファーに俺用の指輪を渡して左手をだすジェニファーは俺の指に指輪をはめてくれた、ジェニファーのは小さなダイヤが綺麗な結婚指輪だ、俺のはシンプルなシルバーリング



この結婚式がこのグラスの町で流行り、後にグラス式結婚式と呼ばれるようになるのは、もっと先の話



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結婚式を終え、酒をふるまい、俺達の家は外の敷地も使い宴会をしていた


片づけるのは明日でいいかな。


今夜も暴走したい・・・・綺麗なその姿で・・・


みんな夜も更け帰って行った。


ちなみに暴走はしたがドレスは綺麗に仕舞われてしまった、少し残念・・・


そして結婚式から披露宴という流れがグラスの村で主流になるのも、もっと先の話



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翌朝、島民が俺を呼びに来た


港に海賊船が現れ、すごい勢いで港にぶつかった、中には太った女性2人と少女が乗っていた。


とりあえず守護者の金ちゃんも来てくれ!と


俺は思う所もあり港に向かった。



ザック

「おお金ちゃん!この太った女性達が持っていた鎧はクーマ王国の紋が入っていた

クーマ王国の兵だろう・・しかしなんで海賊船なんかに?」


バーグ

「この海賊船はフランシス・ロロのマークが入っているしかしこの星の裏側の勢力だぞ

よくここまでこれたものだ」


船は港に激突し壊れている


ザック

「それが少女がいたはずなんだが・・・起きたと思ったらいなくなっていた・・

どこかに行ってしまったんだ」


バーグ

「金ちゃんの魔道具で探せないかな?」


「いや大丈夫でしょう・・・シンシアちゃん、叔父ちゃんに付いてきてほしい 

君を助けられるかもしれない」



「怖かったろ、ここの人たちはグラスお爺ちゃんの仲間達だ・・・

シンシアちゃんを襲ったりはしないよ」



*「・・ほんとう?いきなり悪魔になったりしない?」

なにもない俺の隣から声が聞こえる



バーグ

「いま子供の声が聞こえたが・・・」


「後で皆さんには事情を話します 

この女性達を私の家まで運んでもらっていいですか?」



俺の手を掴む感覚がある


「君はアメリカ人かい?ヨーロッパの人かい?それともアジア人かい?」


*「私はアメリカ人・・」


「そっか」


*「ママの所に帰りたい・・・」


子供の泣き声だけが俺の隣から聞こえた


目に見えないその子の手を優しく掴み家に向かった。

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