[短編(市場)]宴の下書き1

 イグラス。そう名乗る子供がやって来て、もう数日。

 子供だからと、そんな期待はしてなかったけれど……ていうか、何なのかしら、あの子は。

 リエードのやつが、迷子みたいだったからって拾ってきたのは事実として、あんなやつ、普通拾うかしら。気味悪がられて、声をかけたのがあいつだった、ってとこなんだろうけど。

 その姿は、王様みたく白っぽい体毛を持ってる、多分、七割方は人間。残りの三割のうち二割は、といえば、竜のような鱗に覆われた膝下と、前腕部分。しかも器用な指なんてものはなく、私たちと同様、太く、硬い爪が備わっているときた。

 そして一割は、時折面積を増やす、毛皮。基本的には頬から首にかけては存在してるけど、一体何なのか。

 ……もし、ここまでなら、こんなにも気にはしない。そう、問題はここから。

 宴の会場で、イグラスはその姿を変える。

 毛皮が皮膚を埋めつくし、人間だった部分が獣へと成り果てる。よくよく見れば、顎と鼻先は尖り、脚もまたしかり。

 魔法生物が姿を変えるなんて……少なくとも私は聞いたことがない。しかも普通に戻るし、ペナルティとかも、存在しないみたい。

 テレアを除けば、身体の一部が歪になるっていう例は、魔法界隈ではたまに聞くことで、死に至るほどの魔力乖離を起こさないまでも、巻き込まれたときに起こるもので……調べてみたいけど、子供なのよねぇ。めんどくさい。もので釣っても、リエードに懐いてるみたいだし。


 まぁ、観察し放題なのは助かるわね。

 一体、何なのかしら、あれは。


◆◆◆◆


 ゲームに登場するキャラの性格とかを作る訓練です。でも視点はラクリさん。

 新規キャラのあれこれを作るために短編を作ろうと思いましてね? ちょっと何回か書こうかと思います。

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