[ネタ]あなたは何等身?

 描いてみると分かることは多くある。それが未熟であればあるほど、ナンカチガウという印象を受けてしまうものである。

 そこで筆を投げるか折るか進めるか、それは人によるのだが、どうやら私は、どうにも等身が低くなるらしい。


 頭がある。胸がある。腹部がある。腕があって、腰と脚がある。

 それくらいは当然分かっているのだが、そのバランスは、はてさてとれているだろうか?

 多分、頭が大きいのだと思う。重そうだ。頭部だけを選択して、変形。縮小させて、傾けて、空いた分をうなじにして、肩はここらへんで、腿はかがんでいるからここらへんで。足はつま先立ちで、こう?

 全体のビューを見つめてみる。やはりパーツが大きいような気がする。今回は脚のような気がする。

 分けておいたレイヤから切り出して、変形する。実物を見るが、参考にはいいと思うのだが、そんな鏡もデッサン人形もないわけだから、イメージと戦うことくらいしかできないだろう。


 やはり、普段から見ているものとはいえ、じっと、こうなっているのか、と理解しないことには、上達しないのだろう。もちろん施行してみることも大事だが、最終的にどこで納得することにするのか、その線引きもないと、完成までこぎ着けずに閉じてしまうことだって考えられる。

 何にしても、習熟するまでには長い時間を要する。これを短時間でこなすことができるとしたらそれは、ゲームプレイか詐欺師の二つだろう。

 画面に表示されたものを、あたかも自分であるかのように操るのか。それとも盗みを働いて自身のものであると胸を張るのか。

 どれを執るのかは各自の自由だが、私としてはゲームはゲームであり、私そのものではないし、虚構で得た名声も富も、罪悪感の塊となることは目に見えている。

 そうなれば、やるべきことは一つだけで、手を動かす他ない。もちろん、考えて、何が異質かを弾き出すだけの能力は必要になるが。

 それだけのことができるか、できないか。

 制作というものは、いつもそんなものである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る