[ネタ]足は多いほどいい。

 珍妙な生物が、群れに紛れている。

 それは四本足と長めの首で、きちんと飼育すれば人や荷物を乗せて走ってくれるものなのだが、野生のものは希少が荒い。なんせ草食だ。警戒心が一倍強い。

 ではその中にいる珍妙な生物、もとい個体というのは、足が八本あるのだ。

 海にいる悪魔は丸い頭に八本のうねる触手を持って化けたりするというが、それとは訳が違う。

 まぎれもなく足だ。前半分と後ろ半分でほぼ同じ形で、むしろ不便そうに移動しながら草を食んでいる。多分、よくよく見なければ気づくことはなかったろう。当の群れの者たちも、特に気にすることもなくのんびりと過ごしているのだから。

 しかしなんだ、あれは。

 悪魔の仲間なのだろうか? しかし人を拐かすのが使命のやつらに、そこらの生物に紛れることによるメリットはないだろう。強いていうならば、あれを捕獲した人間に囁きかけるとか、そんなものだろうが、はっきりと言える。あれは失敗している。

 そんなことを考えながら体勢を整えようとしたとき、パキ、と堅い感触が足裏から。やってしまった、と後悔をしたとしても、彼らは待ってはくれない。一瞬こちらを見やったかと思えば、そそくさと逃げ出してしまった。

 はやく捕まえねぇと、主人もご立腹だ。

 ため息をつきながら、隠れる理由を失ったので立ち上がると、まだ草原に影を落としている生物が一つ。八本足だ。

 呆然と、おそらく仲間を見つめていて、固まっていた。一か八かだと全力で駆け寄り、縄をかける。この際、珍獣だとかで金をもらえればそれでいい。

 何てことなく捕獲を終えて帰ろうとしたときだ。

「ぬし、ずっとこちらを見ておったろう?」

 手綱に従う八本足は、言葉を投げ掛けた。

「人に買われるには、足が多い方がいいと聞いたのだが?」

 悪魔なのか、バカなのか。そんなことはどうでもいい。ひとまず言えることは、

「足ってそういう意味じゃねぇよ」


◆◆◆◆


 足が多いと便利ですよね。あちこちに行けるし、日用品の買い出しも楽です。

 しかし足が四本八本あっても、不便なだけです。そもそも足ってそういう意味じゃねぇから。


 ということで、電動バイクがあったら楽なのかなぁ、とか二年前から考えています。しかし走行距離がかなり短く、充電に一晩かかるということで悩みますね。

 ガソリンバイク、もとい原付でもいいのですが、乗れる機会とコストを比べると二の足を踏んでしまいます。いや、電動バイクでも同じですけどね。

 あとガソリンの扱いが怖い。ファイアとか静電気とか。取り扱い注意なのはそうなんですけれども。

 うーん、悩ましい。けど移動コストを下げたい……。

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