[短編(オリ)]いつしか終わった物語

 双華、と声をかけるのは青年を思わせる響き。

 なに、と誰もいない空間に答えるのは、防寒具を着こんだ少女。

「どこ行くんだよ。いきなり空を飛びたいなんて言い出して」

 どこでもいいじゃん、と手袋をはめた手のひらでポスポスとまたがっているものを叩く。

 それは蛇のような生き物。蛇というには大きすぎるし、なんなら雲に紛れて宙に浮いてくねくねとしている。その首あたりにいる少女、双華はただ、大きくなった月を眺めている。

「……確かに、冬の空は澄んでて気持ちいいけどよ、寒いったらない。あと数分もしたら降りるからな。駄々こねんなよ」

 満月。いつもは小銭くらいの大きさのそれは、二人の目には小さなボールくらいにはなっていた。手を伸ばして、そっと掴めば届きそうなくらいに大きい。

「うん、それでいいよ。わたしも凍えそうだし」

 ぎゅっと握りこぶし。

「邪狼」

 続けると、返事がかえる。

「どうしてあなたたちは滅んだの?」

 まつげについた霜を拭いながら。

「……死んだからだろ、俺以外が」

 単純な回答と共に、ふわりゆらりと細長い体躯は地面へと吸い込まれた。


◆◆◆◆


 タイトルのように、完結させた数少ないエピソードを思い出しましてね。「四魂一身」っていうタイトルで、ユリザキ双華(ソウカ)という少女が、邪狼(じゃろう)という龍の魂他二つを身体に宿したお話、だったかな?

 二回にわかって執筆していて、一回目は中二真っ盛りでしたっけ。


 執筆時期は初代インスデイルよりも後、妖魔よりも前でしたね。一万もいってない、勢いだけのお話。ネーミングセンスも当て字だとか、ナニソレ状態のものが多かった記憶があります。

 最終的にはドラゴンズが蘇生して世界の危機に陥ってた気がする。それは一次のときだっけ、二次のときだっけ。んで双華がどうにかして正気に戻すんだっけ。

 漁ってあるなら、見返してみましょうか。


 これって公開できるもんかな~。完全に思い付きでごりごり書いてただけなので、拒絶反応が起こるかも。ほら、過去の作品見てみましょうよ。悶えること間違いなしですよ!

 当時のよかった点とかも見つけられればな~。多分、勢いはOK!という評価が下ることになるでしょうけれど。

 妖魔もノリが前回だったのは一章の一次のときだったかなー。実は公開しているのって二次三次くらい書き直したやつなんですよ。当時は若かった!

 さ、過去を思い返すのもいいですが、先伸ばしだけはダメですよ。魔王討伐、開演させましょうねぇ。

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