[短編(市場)]悶える者に首かしげ
彼女の様子がおかしい。
具体的に言えば、そうだなぁ。僕が部屋に戻ってきてからずっと寝床に横になっている。一瞬、寝ているだけかと思ったけれど、うつ伏せで、大きめの枕をわざわざひっぱり出して、鼻に被せながら、目を細めてゆらり、ゆらりと尻尾を振っている。
……いや、そもそも彼女からここに行こうなんて言うからには何かあるとは思ってたけど。こんなに幸せそうな姿は初めて見る。
その脇には、まだ真新しい一冊の本。こっちに来たときに迷わず入った本屋で買ったものなのは間違いない。夕食に誘ったときに断りながら、取り出していたやつだ。
声をかけるべきかな? いや、でも水を差すのもあれだし、静かに荷物を置いて、お風呂に行こうかな。
かくいう僕もこの近くで新しく遺跡が見つかったって聞いたから、遺産のひとつやふたつ、ないかと思ってたんだけど、当ては外れた。財布とか帽子とかを静かに置いて、まだにやにやしている彼女を置いて、部屋から出た。
案の定、僕には気づいていなかったらしい。戻ってきたら目を丸くしたいつもの彼女がこう聞いてきた。
「あれ、ご飯ついでに入ってきたの?」
◆◆◆◆
私、脳内カップリングを作るとか、そのやりとりに悶えることって滅多にないんですよね。あくまで公式の作品ににやりとするとか、おぉー、と感心する止まりです。
なのでよくある、ベッドにダイブした後枕を被りながら頭を押さえつけ、足をバタバタする、というような心持ちになったことがないんですよね。尊い! とかもそうてすね。
人外と人間のあれこれは好きなんですけどね。
そこでラクリさんが好きな作家さんの最新作を読んで悶えるというシーンを書いてみましたが、やっぱ心なしか固いですね。リエ君視点だから、ということも考えられますけれど、やっぱりハツラツとしないなぁ。なんでなんでしょ。
作品に没入することはできるが、感情移入はなかなかできない。同情はできるが、共感はしない。そういうことなんでしょうかねぇ。
久し振りに観れた映画は、思いっきりしてましたけどね。上記の性質上、たまにしか味わえないのが残念です。
さて、昨日のように今日はインプットデイと言っていましたが、これは別です。文章の書き方はできるだけ維持しないと。
さ、四連休を生成した方もおられるのではないかな、と思いながら、今日をたのしみましょう。
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