[日記]知を求むるものは知を遠ざける

 本が並んでいる。小説やエッセイではない。資格取得や学習のための本だ。

 先程から、いや半年くらい前から何らかの教本を探しているのだが、正直、これを勉強しよう、という決意が現れることはない。

 私は、なんだかんだパソコン系の人間なのだが、大量に並ぶ開発言語の宣伝に首をかしげるばかりなのだ。

 cを始めとして、python、swift、ruby、と入門編の謳う背表紙が背比べをしている。この言語が苦手、他の言語を勉強したくない、とかではなく、根底にあることって同じだよね、という先入観があるのだ。

 にわかプログラミング理解している勢としては、変数宣言してそこに編集した値を入れる、が基本であると考えている。宣言・アクセスのしかたや中身のメモリの確保のしかたなどは異なるだろうが、教本を読む限り、代入してあれこれする、以上の目新しい情報がないのだ。

 環境の構築も、できることも、調べれば出てくる時代。基底を把握しているなら、あとは調べ方の問題になってきてしまう。つまり、開発言語に関して、触り始めるきっかけは「何かしたい」よりも「これができる」に遷移しているということだろう。


 言い方を変えれば、「できることの具体性を求めて勉強しようとしている」だが同時に「基礎をすっとばして応用をやろうとしている」とも言える。しかし「やりたいこと」があるならば「実現手段」を探して、「実現するだけの基礎と応用を学べばよい」のである。10もの言語に精通する人が、新しい言語を勉強し始めるときにハローワールドから打ち込み始める人はそういないだろう。

 そう考えると、開発言語以外の勉強に意識を向けてみてもいいかもしれない。英語はある程度読めるが、スピードはない。あくまで学校学習レベルだ。

 いや、むしろ面白い作品を作るための知識もほしい。そういえば、ミリタリーとかの知識がほしいと、以前考えていた。

 最近は、ゲーム開発の教本のコーナーの近くにこういうものが置いてあるのだ。実態はともかく、入門の知識としてはちょうどいいだろう。

 一冊の本を手にとって、レジへ向かう。

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