第31話  I.Mにもらった歌に、捧げる詩

 君の歌を聴いていたら、ああ、そうだったなと思ったんだ。

 

 過去形? うん、そう、思い出すって、過去形だよね。


 過ぎ去った事を、忌まわしいと思うかな?


 それとも、微笑みながら、そうだったよねと思い出すのかな?


 君と同じ空間で生きていたと知ったのは、ずっと後の話。


 不思議な縁。思い出した風景を、時差を経て君も生きていたなんて。


 情景描写で感じたんじゃない。


 君の歌が、風景を思い起こし、君が同じ風景を生きていたと知っただけのこと。


 香りがしたんだ。

 

 君を見たとき、僕の知っている唇だったとしても、さほど驚きはなかったんだ。


 ありがとう。


 僕に幸せをくれた君に、乾杯!



        了

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