2020/08/24 22:57/鷦鷯飛蝗

お前に置き去りにされたい

夜気はいやに生温くて

取り戻せない言葉尻の垣根と

移せない半端ものたちの酔ふ河岸

殴れないくらい間合いを削り取って

言い訳の不要性に口角が歪む

泣きださないでよ


おずおずと撫でるその擦過も

熱交換で全部許せるよ

窓は開いてある、紺碧の向こう側

俺を受け入れてくれるわけじゃない

そういうところまで連れてきてくれた

お前に置き去りにされたい


霊でいい、上下動は要らない

滑るように風景を噛んでいきたい

拘束具の吟味を忘れずに

渡し守は風景とさしてかわらないから

このくしゃみをさせたのは

夜風が媒介したお前の心だろう

言い残したことは全部そこの

公共トイレに流してきた

たぶん詰まる

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