2020/06/14 22:32/鷦鷯飛蝗

燈火は無情

擦り減っていく対価を機械的に求める

天井にへばりついている羽虫の骸が

浮いているような遠近感の綻びを抱えて

星座みたいなものなのだと知る

アナログな二次元平面が

デジタルなレイヤに隔たれて

三次元的に刻まれた世界を移動していく

一回り大きく張り巡らされた

スカスカな防壁は

最早壁とすら呼べない程度のもの

掠め取るだけなら気にも留めまい

汚濁を置き去りにして、不可抗力と言う

ならば初めから

容れられはしない

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る