2020/06/12 3:04/鷦鷯飛蝗

木も人も、古びた表面からは同じ粒が飛ぶ

鼻の奥、喉との境目を埋めるような

落日に中てられて本当に変わっていく旗色が

その布面で展開する変貌の気持ち悪さを

どうやうってか見せまいと

風以上の複雑さで靡いてみせたりする

一人でに解けてのたくり、縫い直されていく糸が

描き出す模様の変化には概念の把握が確信されて

昼下がりにも関わらず薄曇りの空は暗く

解読に命を懸けた考古学者たちが老いさらばえていく様が

旗自体命を縫い留め、吸い取る類の布と糸の産物だと語っている

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