2020/05/21 23:35/鷦鷯飛蝗

心の脚気にだけ跡を残せるような

浅圧を片手にゆるゆると

浚うような冷たさに

いつもゆびさきに触れる懸隔がある

見通せない積層の中を

浮かんできたかたまりがある

嘔吐、しめやかに

洗礼として、たしかに

そうやって堆積を解く

縮こまる前には傷となる

臆病さに怯えて、小さくなった恐ろしさに震える

芥子粒が被害になればもう

体感一度の流転すらとりもどせない

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