2020/05/02 21:46/鷦鷯飛蝗

弦が震えるのではなく

そのように象られた翼で

浮き方を模す

雲海世紀の海の向こう

計器の値は正常か?

大気を裂く震えと

発動機が発する身震いと

どちらも模すだけのカケラ

止まらない、再生成を打つ


失ってよいものではなかった

あの怯えも、加護の欠如も

枯れ葉みたいに弄ばれる

そういう存在としての空でなくては

飛ぶ張り合いなんて無いのと同じだ

雲海世紀の雲の下

地の底まで脚を突き降ろせる躰ども

両端の拡がり、中間地点は絞り切られて

ともすれば灯すだけのチカラ

埋まらない、快晴・生を討つ


富貴を寝かせ、左側の瀬より先へ

飛び方にもいろいろあって

そのこと自体はどうということもない

あの転回をふいにしてしまう

滑るようにその弾力をなぞれ

球の縁、すれすれを過る、それだけの潮

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