2020/04/14 22:47/鷦鷯飛蝗

身から出た錆だとすげなくも、

行き掛かり上頽れた思いを抜き放つ

浮き沈みだけで指向して

君との思い出を失ったとき

衰微する化外の苑を偲ぶ

さもなくば引き摺れないからと

入れ替わりで手を放し

指の腹を爪が掠る度

走る刺激に何かを滑らせる

必要な時、必要な力、

必要な方向、必要な角度で

繰り返される当たり前に

殺意だけが籠っている

最適化を恐れて蛹のまま骸へ

それを生まれ変わったと宣う

そういう獣がこの洞に棲む

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