2020/01/17 23:53/鷦鷯飛蝗

夜、似つかわしくない

閉塞した裏道に恥じらいの雪熟れ

バタつく四肢の思い出に

虚しさだけ絡ませて

御しきれない速度は誰のため?

過ぎていく背中の胡乱さに惑う

振り返る余裕も無く揺らす声


藤、似つかわしくない

梗塞した脳の色遣いが弾けて消える

ふらつくよすがの生煮えに

苦しさだけ象らせて

辿れない法則性は何のため?

披いていく精緻さの憧れを穿つ

軋む隙間も無くすべっていく床


人の声も、獣の歌も

波音も砂の詩も聴こえない

陽の光も霧照らし

せめて届くのは涙の香り

蒸発した血を

いつだって啜っている

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