2019/12/31 21:58/鷦鷯飛蝗

開いた震えを

またねって言って

小さく閉ざした

熟れない今の

染まらない指の

向く先濡らした

冷たい風

見送った方へ結晶が

流れて征くから

畳み損ねた嘘と

繋げない腕を

交互に振って

逃げるしかない

懐かしさが

心地よく身を削る

無色透明な暖かさが

流線型のドアの向こうに

記憶が確信している

いつかと同じ

ことなんてない

違いは測れない

ズレを背負って

妙に静まった瀬を置いて。

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