2019/11/10 23:40/鷦鷯飛蝗

痺れの自覚が絞られる

足の踏み場はいつだって確かじゃない

積み重ねは隙間を孕んで

緩やかな排斥も俄かには蜻蛉

方角は知らない

響く方、聞こえる方へ


他愛ない時間と

小さな安心を

掌揺らしながら

塗り固めて

足場じゃない、狙うもんじゃない

組みあがったことを後になって知る


なべて根足は醜く

蠢かない触手は静かに地の利を啜っている

唐突に出現する人智に迫って

泣くでもなく泳ぐでもなく


人いきれの死角が括られる

雪の降り場もない岩場と回廊を往く

絡めとろうとする網は規格外

引き裂いてばかりでいっそ稚い

劇的には変わらない

落ち着いた色

塗り固めた色

揺らがない過去


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