2019/11/04 18:16/鷦鷯飛蝗

北東に脊索の群れを見る

日は南中して黒く

駆ける野分が袖口を刺す

弓無しで飛ぶ矢は放物線と無縁

豊穣を知らない狩りの世に

腓を掴み、放す熱の戯れと

滲む汗の先触れが熾す意図を薙ぐ

荒涼、空は廃の色

亀裂は忘却に漸う

下草はかき分けるほど高くは育たない

舞う胸鰭どもに釣果は譲らない

鞭音は響くだけ

告げるだけの収奪と

濡れるだけの予感が

せめてもの手向けならば

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