2019/10/18 1:09/鷦鷯飛蝗

泣けない


夜を嗅いだ

器は一人分

自分を入れる場所が足りない

誰でもない幻影が溢れて


泣けない


道を塞いだ

砂が口いっぱいに

偶像の座には据えられない

思い込みだけの神様が溢れて


きっと生きてるだろうから

この身を炙るのも

置き場に困るのも

絶対傲慢のせいだから

どんな思案だってただの思い込みで


泣けない


段々冷えてきたのに

もう鼻水だって垂らさずに

山の深くで歪みを焼くだけ

溢れたこの身の置き場は偶像の器

思い込んでるうちは絶対


泣けない

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