2019/09/16 17:30/鷦鷯飛蝗

茫漠、さきがけを抑える

引く弓も顧みない

此岸へ飛び乗った夜と

征くを遮った檻

陽陰ひかげがあるなら

夜ではないから

諫める声も遠く

焦げ付く肌も荒く

削れ逝くからだから飛ぶ血風の

かな臭さ奪うほどの汗で

刃折れの太刀も汚す

煤けた熾で穿つ

足りないなら滾らせる

まだ狭いならこじ開ける

揺らぐだけの地なら

あなこさえても温過ぎる

千切れた風に溶ける雲を繋ぐ

こなせば還る宵の鬼を塞ぐ

もとの場所ごと薙ぎ裂いてうた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る