2019/05/31 22:15/鷦鷯飛蝗

レキシコンにない言葉が滑り出す

取り巻かれて渦巻くままに

ネクロノミコンが響き出す

入出力が叶わないことばで紡がれる世界は確かにあって

きっとそれこそほんとうのもの


黒く沁みついて剥がれない思いが

引き攣って

こびりついて

溺れ続ける


沈まないままに

報わないままに

整わないままに

悶え続ける


戻れないかって?

戻れなくたって


そうだったと嘘を割って

君じゃなかった

僕の向こうへ


差し出すつもりはなかった

割り切るつもりもなかった

ただ青黒い日々の傍に居たいだけだった


梳き落として

共に去る沫で

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る