ごった煮ノート

つきの

爪をつむ

 わたしは爪を伸ばすのが苦手だ。

 

 とにかく白い部分が出てくるともうダメでムズムズしてくるから、そうなるとすぐに爪切りの出番。

 深爪ぎりぎりまでつむ。

 伸びた爪ごと指先に澱んでいた熱っぽさが消えるとやっとスッキリする。


 わたしには書き物をしたり何かに集中すると、頭に熱がこもってしまう癖(?)があって、そうなると、ついつい髪を掻きむしってしまう。


 こんな時に爪が少しでも伸びていると、爪先の熱まで髪の地肌に移って大変よろしくない。


 だから爪は伸ばせない。伸ばしたくない。

 極々たまにマニキュアなんぞすることもあるけど、ぷっくりして爪の短い手には似合うはずもない。


 だから細い指の綺麗な爪に桜色のマニキュアをした女性ひとに憧れる。

羨ましくてついつい目で追ってしまう。


 いい加減に諦めの悪いことだと思いながら、今日も爪をつむ。


           

 ※爪をつむ=爪を切る ということ。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る